5.結果

 今度は俺が検査入院になった。

 妃奈は来てくれるって言うけど正直無理しなくていいのになって思った。病気の影響で体力も減ってきてるのにわざわざ来てもらうのも悪いなぁ……


 検査入院は初めてじゃないからそこは特に問題はなかった。


「失礼しまーす……」


 妃奈が入ってきた。


「お、よう、妃奈」

「開飛くん。元気?」

「うん。そこそこかな」

「よかった。あ、これ、プリントとか」


 妃奈はいろんな手紙を出してきて差し出してきた。


「あ、ありがと」

「いやぁ……開飛くんいないとさ、勉強進まなくてさ……」

「結構できる方だと思うよ? 妃奈は」

「そうかなぁ……」

「そうだよ」

「えへへ……ありがとう」


 そのあと、出されてた宿題を二人でやった。妃奈はやっぱ聞いてくるけどちょっとの説明でわかっちゃうんだよなぁ……教えがいのないと言えばそうだけど、いいことか。これ。



 そして翌日、検査結果が出た。

 検査結果は簡単言うと悪化していた。


 どうしよう……俺、死ぬのかな……このまま……このままどんどん悪化していって、このまま……死んでいくのかな……俺


 俺は一晩中泣いた。そして泣きつかれて寝た。


 ここから俺はどうしたらいいんだ……



 7月

 今日こそ学校行かなきゃなぁ……


 今日で退院して10日目。つまり10日間学校を休んだということだ。

 悪化したことがわかって、手術の日も決まった。でもそれを妃奈に言うべきか? お前だけ先に……とか思われないかな……それに学校で急変したらどうしよう……それこそもう学校行けなくなる。妃奈に会えなくなる……俺のたった一人の友達に……


 今日はしょうがなく学校に行った。

 保健室には妃奈が来ていた。


「開飛くん……」

「妃奈、おはよ」

「おはよ、開飛くん。今日は、来れたんだね」

「うん。ごめん」

「謝らないで……来れないのは、悪いことじゃないし……しょうがないことじゃん?」

「……妃奈、」

「うん」

「妃奈、」

「開飛くん?」

「妃奈、俺さ、」

「うん」

「悪化してた」

「え……? ほんとに……?」

「ほんと」

「そっか…………それで、どうなったの?」

「えっ?」

「悪化してるのになんもしないなんて、ないじゃん?」

「まあ……怒らないで、嫌いにならないでいてくれる?」

「もちろん。嫌いになんて、ならないよ」

「俺、手術することになった。夏休みに」

「えっ」

「やっぱ、そうなるよね」

「いや、そういうのじゃなくて……」

「え?」

「私も手術決まったの」

「そうなの?」

「うん」


 まさか、二人ともなんて思ってなかった。俺が思ってた先駆けすんのかよ事件にはならなそうでよかった。

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