第28話 カレー作り①
「まずきちんと手を洗うんだぞ」
「それくらい分かってます」
冷たい水が
手についた泡を
他の
手に
「このニンジンを切ってみてくれ」
「どのくらいに切ればいいんですか?」
「だいたい一口サイズになれば良いぞ」
ニンジンを一口サイズに切るだけなので、形には
そして包丁を握った。握り方に
「その持ち方はなんだ?」
「切るつもりですけど」
「じゃあ切ってみてくれ」
「任せてください」
「……どうしてこうなったのでしょう」
「握り方が逆だな」
一度包丁をまな板の上に置くように
「いいか?こうやって握るんだぞ?」
「は、はい。………分かりました」
「本当に分かったのか?」
説明を終わっても、まだボーっと立ち尽くしていたので、本当に
(って、近っ!)
そこで、自分からいきなりバックハグ的な事をしたことに気づく。彼女のシャンプーの甘い匂いが俺の頭の中を揺さぶる。
(このせいで立ち尽くしていたのか…)
それに気づいた俺自身も
「もう一回言うぞ?こう握るんだ」
「……こうでしたっけ?」
「違うぞ、こうだ」
説明する力のカケラもないので、正しい握り方を教えるのに時間がかかった。せめて包丁の握り方くらいは覚えていて欲しかった。
有栖がスーパーで言った通り、料理が出来るようになる
「それでニンジンを切ってみてくれ」
「……どうしてこうなったのでしょう」
本日
「ジャガイモは俺が切るからよく見といて」
「よく見ておきます」
「凄いです」
目を
「違いが分かったか?」
「全く分かりませんでした」
有栖の
「分かるようになるまで、たくさん
「私は子供じゃないですからね」
子供を
「子供扱いしたわけじゃないぞ」
頭をポンポンと撫でる。あまりに可愛かったのでつい手が出てしまった。
「それを子供扱いしていると言うんです」
「そんなつもりはない」
女性の
「手洗ってくださいよ。
「…汚くはないけど、洗うべきだよな」
「なんで少し
いくら
俺は泣く泣く手を洗う。もう髪を触る
付き合っているわけでもない女性に対してこの
光星は、そういう事よりも髪を触りたいという
時間がかかりそうなので、肉も一口サイズに俺が切った。明日から俺が料理係になるのは見ての通り決定なので、有栖には簡単な手伝いをしてもらう。
ちょっとずつ
「次は
「
野菜を切るだけで一苦労したのに、火を使った
フライパンに油をひき、火を通した。
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