凄腕エージェントはさっさと任務を終わらせて、可愛い彼女といちゃいちゃしたい!

きくらげ

エージェントとやりとり

第1ミッション 撃とうとしてる

「今、何してるの?」


 彼女からのメッセージが入った。『K』はスコープから目を離してスマホの画面を触る。


「撃とうとしている」


「何を?」


「ある組織の密会を見張っている。別の者が中に突入するが、念のために俺も離れた場所で状況を見守っている」


「(・・;)?」


 顔文字を送ってきた。こんな可愛らしいやり取りができるなんて、嬉しい限りだ。だが、少し子細に話しすぎたな。


「わかった!ゲームの話かな?」


「そうだな。今、『スナイパー』のゲームにはまっていてな。相手が動き始めたから、少し返信が遅れる」


 予定通りに仲間が突入した。いくつか発光が見えたので、銃撃戦になっているのだろう。数秒すると外へ逃げてきた者達が車で逃走した。やはり、逃走ルートを用意していたか。

 KはSR25を構えて前輪を撃ち抜いた。バランスを失った車は建物へ激突する。中から出てきたやつらを威嚇射撃で足止めする。これ以上逃げようとしないでくれよ。7mm口径のライフル弾を喰らったら、即死だぞ。

 なるべくなら、生かして捕らえたい。

 しばらくすると、現場のエージェントが追い付いてきた。スコープ越しに彼らが連れていかれるのを確認していたら、『J』から電話が掛かってくる。


『流石は『先読みのK』だな。逃走ルートを読んでいたのか』


「何事も予測を立て、最悪の事態に備えるのは当然の事だ。それで全員確保できたのか?」


『ああ、抜かりないよ。これで一つ密売ルートが潰せる』


「では、任務完了ミッションクリアだな」


『手間を掛けさせて悪いな。待機に戻ってくれ』


 通話を終了させ、サイレンサーを外したスナイパーライフルをゴルフバッグにしまう。重量のそれを担ぎながら彼女にメッセージを送る。


「君は何をしているんだ?」


「ドラマ見てる。今期はまってる恋愛ドラマなの!」


「何てタイトルのドラマなんだ?」


「『リトルラバーズ』っていうの。面白いよ!」


 なるほど、恋愛ドラマか。

 今後、彼女との恋愛シュミレーションにおいて、彼女の思考を知るために俺も見ておいた方がいいだろう。この案件が片付いたら、彼女とのデートに望むのだから!




…………

イラストあります!

↓↓↓

https://kakuyomu.jp/users/ki_kurage/news/16816700426989217889




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