第十九話:真実


 『やはりそうでしたのね? 私の世界にこうも影響力を及ぼすとはですわ』



 聞こえてきたその声はあの女神!?

 なんであいつがこんな所にいるのよ?



 「貴様‥‥‥ なんだこの大いなる力は?」


 『私はこの世界の創造主、便宜上この世界の女神と名乗っておきましょうですわ。あなた、私がこの世界を作る時に紛れ込んだのですわね?』



 マリアーナの手の力が少し緩む。



 「女神だと‥‥‥ 創造主だと‥‥‥ 貴様、スポンサー様か!? いや、企画委員会様か!?」



 『さあ、何の事かは分かりませんが、あなたどうやらあのゲームに元々巣食う怨霊のようですわね? あのゲームを元に私が作ったこの世界でも影響を及ぼすとはですわ』

 

 なにそれ?

 じゃあ、このマリアーナに取り付いてる悪魔ってゲームの中にいた怨霊だって言うの!?



 『私の力を受け、怨霊までこの世界で力をつけてしまうとはですわ。しかし困りましたわね、あなたを排除するとこの世界そのものが無くなってしまいますわ。私まだこのゲームクリアーしていないのにですわ‥‥‥』



 いや、そんな事どうでも良いって!

 いいから助けろこの駄女神!!



 「‥‥‥くくくっ、そうか、私の作ったこのシナリオ。たとえ女神でも根底にいる私を排除できないか? ならばそこでこの邪魔者が居なくなるのを見ているがいい!! そして予定通り私のシナリオでこの世界は動くのだ!!」



 ぐっ!



 「ぐぅうううぅぅっ!」



 マリアーナの手の力が増す。

 そんな、私ここでおしまいなの?



 ぽたっ



 そう諦めかけた時だった。

 私の顔に水滴が落ちる。


 ぼやけた視界の先に涙するマリアーナ?



 「だ‥‥‥め‥‥‥ リリ‥‥‥アー‥‥‥ヌ様‥‥‥」



 マリアーナ!?


 「くっ! こいつまだ意識が有るのか!?」


 マリアーナに取り憑いた怨霊が驚きの声を上げる。

 もしかしてマリアーナの意識が!?


 諦めかけていた私の意思が強くなり始める。



 「マ、マリアーナ‥‥‥」




 苦しい中マリアーナの名を絞り出すように発すると一瞬その手の力が緩むのだった。 

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