第十六話:孤独
その日はなぜかみんながいつもと違って私がそばに居てもまるで無視されいないかのような扱いだった。
「これは一体どう言う事ですの?」
一人そう言っても誰も答えてくれない。
部屋に戻りため息をついているけどうちの使用人たちはいつも通りだった。
「マリアーナ‥‥‥」
私は一人寂しく涙しながら眠るのだった。
* * * * *
「ごめんなさいですわぁ~」
「あ、あれ? ここって‥‥‥ うわっ! 女神!!」
気付けば私はあの薄暗い何も無い場所に突っ立っていた。
そしてお愛想笑いをしている目の前の女神を睨みつける。
「よくも悪役令嬢なんかに転生させたわね! 気をつけなきゃすぐフラグ立ってバッドエンドに一直線になっちゃうじゃないの!!」
「すみませんわぁ。でもあなたのお陰で主人公があなたへの好感度もマックスで、周りの人物たちもあなたに対して好感度ゲージが軒並み高いですわ。このまま行けばゲームクリアも夢ではありませんわ!!」
「はぁ? こっちはリアルで死に物狂いでやっていると言うのに!」
「でもここで面倒な事になりましたわ。このゲーム本当に難しいですわ。やっていて初めてですけど主人公が悪魔にとりつかれてしまいましたの。そしてその眷属が周りのみんなにもですわ。でもあなただけは何故か最初からそれが無かった。だから多分あなたが攻略のキーポイントとなるはずですわ!」
ぐっとこぶしを握って顔が近い女神。
「って、何それ!? そんなイベント知らないわよ!?」
「とにかくあなたが何とかしないとこれ以上ゲームが進められませんわ。あら? 今のショックであなたが目覚めそうですわね? ではこの情報をもとに頑張ってくださいですわ!」
にっこりと手を振る女神。
「ちょっ! 何それぇっ! 私にどうしろって言うのよぉ!?」
「主人公から悪魔を払えばきっとどうにかなるはずですわ! それでは頑張ってですわぁ~」
「なっ! お、おいぃっ!」
* * * * *
目が覚めた。
そして私は笑う。
「ふっふっふっふっふっ、そう言う事だったのですわね? いいでしょう、私のマリアーナを取り返して見せますわ!!」
寝起きにこぶしを突き上げ私はそう叫ぶのだった。
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