第八話:お呼びで無いのに?


 「リリアーヌ様、ご機嫌麗しゅうございますぅ~(ぽっ)」


 「リリアーヌ様、おはようございます。今日もお美しい(ぽっ)」



 いやちょっと、あんたら隣の教室でしょうに?

 朝からマリアーナを愛でようとしたら隣のクラスにいるはずのイザーラとアスラーズがいた。



 「リ、リリアーヌ様おはようございます」



 ふるふるふる



 ズッキューン!



 ああっ! 

 もう朝から可愛いわねマリアーナ!



 イザーラとアスラーズの後ろで震えながらも私に朝の挨拶をしてくれる。

 私は二人に挨拶もそこそこにマリアーナの手を取り挨拶をする。



 「ご機嫌よう、マリアーナ! 今日も可愛いですわね!!」


 「そ、そんな、リリアーヌ様(ぽっ)」



 くぅうううぅっ!

 これよこれ!

 モジモジしながらも嫌がらず顔を赤くして恥じらう仕草!


 もうたまんない!!




 「んんっ、おはようございますリリアーヌ殿」


 私はマリアーナの可愛さ成分を補充していると声を掛けられる。

 振り向いてみればソリオン様がにこやかにこちらを向いている?



 「あらソリオン様、ご機嫌麗しゅうございます」



 一応許嫁で王家の人で第三王子様。

 無下には出来ないので挨拶をする。


 と、ここでベルが鳴って授業が始まる。



 仕方なく席に着きイザーラたちは残念そうに自分の教室に帰っていく。



 講師が入って来たけどその後ろに男の子がついてきている?



 「えー、今日から編入することになった‥‥‥」



 「ラズベル=ボンレス・シーナ・ザイナスです。皆さまよろしく」



 優雅にお辞儀をするその男の子に私は思わず驚きわなわなとする。



 「ラ、ラズベル!? 何故あなたがここにいるのですの!?」



 「姉さま、何を言ってるんです? 僕も十三歳ですよ? 離れの別荘からここへ来るのに時間がかかりましたけどね」




 にこやかに笑顔で挨拶するこいつは紛れもなく私の異母姉弟だったのだ。

   

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る