三兄弟の伝説
「ミーヤのこと」からシャンタル宮と神殿の話に移行しましたが、アランとベルの
このお話のベースになる神話自体が私の創作なので、もちろんこれも私が作った伝説です。
ただ、アランとベル、それから長兄のスレイこと「アスレイ」がいてこの話を作ったのではなく、それ以前にすでにこの伝説は私の中にありました。
あったのは、長女「アナベル」が下着の上に粗末な女鎧を付けただけの姿で軍に蛮族の侵入を知らせに行ったという部分です。
これは他のお話を考える中でできたエピソードですが、それが使えるなと転用というか、まあくっつけてみました。
それまでアランとベルの出身地については特に考えていませんでした。考えていたのは突然の戦で何もかもなくしたということだけで、場所については何も設定はなかったんです。
ですが「銀色の魔法使い」の中でこうして2つのエピソードをくっつけたもので、自然に兄妹の出身地は「アルディナ」の北東に位置する辺境の「ベルツ公国」周辺と決まりました。「銀色の魔法使い」でも触れていますが、元々は針葉樹の大森林を開拓した土地ですので、その開拓民の一家出身とも決まりました。
このへんはまた別の話の設定にある部分ですので、シャンタルにはこの先出てくる予定はありません。話の流れによっては分かりませんが。
そして伝説が完成、といっていいのかどうか分かりませんが、きちんと形が定まった時に、アランとベルの本名の「アラヌス」と「アナベル」も決まりました。そこに「スレイ」とだけ名前が決まっていた長兄も合わせて「アスレイ」にできて、なかなかよかったんじゃないかと自画自賛しています。
「長い話をどうやって作ってます?」と聞かれることがあるんですが、なんとなくぶつぶつと分散して存在しているエピソードを、こうやって「合うかも」とくっつけてできる部分というのもあります。その代表的なエピソードがこの「三兄弟の伝説」かも知れません。
おそらく、創作は関係なく、小さなポケットに物心ついてから今までに見たり聞いたりした話などがなんとなく収まっていて、話を作っている時に「あ、これ使える」と投入してピースがはまったら、また色々な設定が定まって、本筋の大きな枝じゃない細い枝の形が決まっていくという感じかなと思います。
まあ、その枝が増えて話が思った以上に長くはなってしまってますが、その分の肉付けができてリアリティにつながればいいとも思っています。無駄な部分は剪定していかないといけないんでしょうが。
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伝説についてもう少し知りたいなと思われる方はぜひ「銀色の魔法使い」をご一読ください。
トーヤがまとめた形で語っています。
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