アランとベルのこと・その2 

 最初は双子の兄弟姉妹にしようかと考えていたアランとベルですが、その時に考えていたパターンをいくつか。


 まずは「しっかり者の姉と頼りない弟」でした。

 子どもの頃からの双子フェチの私ですが、この設定の影響ははっきり分かっています。


「グイン・サーガ」


 ご存知の方も多いと思いますが、栗本薫さんのあの不朽の名作の長編小説です。

 主人公グインは「豹頭」の不思議な人物なんですが、グインと関わりを持ってくる双子が「リンダとレムス」というまさに上記の姉と妹です。


 グインが好きだったので長らくこの組み合わせの姉と弟の双子が好きだったんですが、後年、あるゲームと知り合い、そこに出てくる今度は「おっとりした兄と火の玉妹」の組み合わせが好きになりました。


「ファイアーエムブレム・聖戦の系譜」


 親子二代に渡る壮大なストーリーのシミュレーションゲームなんですが、その子ども世代に「スカサナとラクチェ」というまさに上記の兄と妹が出てきます。

 「ファイアーエムブレム」には双子キャラが結構出てきます。他のシリーズにもいますし、同じ「聖戦の系譜」にもこの二人以外に兄と妹の組み合わせの双子が出てきますが、そちらはまた全然違うタイプ。ゲームをやった方なら「あれか」と思われるでしょうが、そちらの双子は別にキャラ設定には関わりがなかったので、今回は割愛です。


 それで双子設定の時、どっちかにしたいなあと思ってたんですが、前回に書いたように冷静な男の子と火の玉な女の子の組み合わせに影響を受けたので、結果的に今のアランとベルになりました。

 もしもその二人と出会わなかったら、アランはおっとりタイプになっていたかも知れません。


 アランとベルは幼い時に戦禍で家族を失い、たまたま出会ったシャンタルとトーヤに命を救われて仲間になります。そんな厳しい生き方をした二人ですから、それで「おっとり兄」だとしたら、もうすでにここにはいなかったかも知れませんね。

 なので、冷静に状況を見つめられるアランでよかったんじゃないかなと今は思います。


 チームのリーダーであるトーヤにも、神様であるシャンタルにすらビシッ! と厳しく叱りつけ背筋を伸ばさせるアランですが、そんな責任感の強さ、芯に熱い物を持ちながらの冷静さを、時に逆手に取られてえらい目に合うこともあったりします。第二部でそんな場面が出てきてまして、アランの心にちょっぴりトラウマ、乙女な気分で終了~になることがありますので、まだお読みでない方はぜひお読みください。

 宣伝を交えながら、色々と妹に負けてるアランに応援でした。


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アランとベルがシャンタルとトーヤに出会った時の物語が拙作の「銀色の魔法使い」という外伝になります。

30話の完結済みのお話ですので、ぜひご一読ください。

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