眠れる森の‥。

@mijuku_haha_k

第1話 保育園に行きたくない

 保育園に行きたくない。

 娘が2歳の時から、聞いてきた言葉。女性活躍、イクメンなんて言葉が世の中で言われていた時に出産・子育てをしてきた。社会の雰囲気、周囲の後押しもあり、仕事をしながら子育てをする道を選んできた。

 行きたくない娘を、なだめすかし、怒りながら、引きずりながら保育園に預け、仕事から帰ってきたら満面の笑みで保育園であったことをお話してくれる、そんな日常が当たり前だと思っていた。

 ただ、中学生になるころにはきっと、公立中学校では不適応を起こし不登校になるのではと、そんな予感を抱いていた。

 中学受験の準備をさせようと思ったのも、そんな予感があったからかもしれない。

中学受験が終わり、うまくいっていなかったクラスメイトとの人間関係も残りの小学校生活の数か月で乗り越えていけるのではと思っていた矢先に、突然日本中の学校が休校になり、そしてそれと同時に世の中の機能が一部停止した。

 幸なことに、私たち夫婦の職場は機能停止することができない職場だったため、子どもたちを置いて出勤することになった。

 もう、小学校高学年、そして中学校に入学しようかという子供たち。近所におじいちゃんおばあちゃんもいるし全く心配していなかった。

 帰宅すると、兄弟で遊んだことを話してくれていたので、まったく心配していなかった。

 朝起きていないことをわかりながら、いつもの「我が家のかわいい眠り姫」くらいにしか考えていなかった。

 毎朝お弁当を作り、なんの迷いもなく出勤していた。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る