13話 ミティシアの大技
ゴーレムはまるでダメージが無いかのように地面から頭を抜くと立ち上がる。
「無駄な抵抗は辞めろ」
「くそ」
優一はゴーレムに向かって飛び掛かり殴ろうとする。
「兄さん危ない!」
ゴーレムの拳をまともにもらい優一は吹き飛ぶ。
「ぐはっ」
「次はお前たちだ。安心しな!顔が気づいても俺のいる国には医療魔法のスペシャリストがいるからそいつに頼めば治して貰えるさ」
ゴーレムはティファリアに向けてローキックをする。琴音はティファリアを突き飛ばして庇うと岩へと激突する。
「琴ねぇーーーーーー」
ティファリアは怒りで気が更に高まると飛び上がりゴーレムの顔を蹴り飛ばし凄まじい音と共にゴーレムは吹き飛ぶ。
「私のゆうにぃとことねぇに良くも!」
ティファリアは凄まじい気のエネルギー弾を連打でゴーレムに浴びせる。
「はぁはぁはぁ~」
気に寄って出来た煙が晴れるとゴーレムは起き上がる。
「不完全とは言えさすが気魔の力だな。このゴーレムに少しダメージを負ったぞ」
だが、ゴーレムには十センチぐらいの傷しかついていなかった。
ゴーレムは息切れするティファリアを掴もうとすると優一と琴音が吹き飛ばされた方向から勢いよく戻って来てゴーレムを蹴り飛ばす。
「ティファリアに触るんじゃねぇ」
「ティファリアちゃん大丈夫?」
「私は大丈夫です。優一さんと琴ねぇは大丈夫ですか?」
「私なら大丈夫よ」
「俺の事は心配するな」
だが優一も琴音も腹に貰った一撃でかなりのダメージを受けており横腹を抑える。
「三人同時で気を放つぞ」
「「はい」」
「おい、聞いてるかデカブツ。俺達の最後の攻撃を耐える事が出来たらお前に付いて行ってもいいぞ」
「良いだろう。やってみろ」
三人は両手に気を集中して集める。
高密度の気のエネルギーはどんどん大きくなっていく。
「「「リゲル」」」
三人の放った気はゴーレムに命中して轟音と共に暴風が吹き荒れる。
「「「はぁはぁはぁ~」」」
「どうだ?今度は効いただろ」
先ほどティファリアが付けた傷が少し広がったぐらいでゴーレムには致命傷を負っていなかった。
「残念だったな。それでは約束通り付いて来てもらうぞ!」
「馬鹿かお前は。俺達の攻撃を耐えれたらって言っただろ?」
「何を言っている?耐えたであろう」
「後ろを見てみろ」
優一がそう言うとゴーレムは振り返る。
剣に魔力を貯めていたミティシアの剣には凄まじい魔力エネルギーを発していた。
三人はゴーレムの隙を見て距離を取る。
「このステータスは何だ!!」
「耐えれるもんなら耐えてみろ」
優一は捨て台詞を言ってゴーレムから距離を取り、三人の逃げる姿を確認したミティシアが剣を振り下ろす。
「しまった!」
ゴーレムは逃げようとするが図体のデカさが仇となりミティシアの剣から放った魔力をモロに受けてゴーレムは吹き飛んだ。
「やりました」
「ああ。俺達の勝ちだ」
四人はゴーレムの瓦礫に近づく。
すると瓦礫の中から佐藤家康がはい出てきた。
歳は一八歳と言った所だろう。頭からは血を流しており佐藤は這いつくばりながら声を荒々しくあげる。
「何で、何でだ!!俺は神様に選ばれし者!!俺が負けるはずがない!!・・・それにどうしてお前達はこの世界の為に力を貸さない!!」
優一は男の胸倉を掴み過去から現在について今起きていることを説明するが、佐藤はそれを否定する。
「嘘だ!神様が嘘を付くはずがない。この世界の人達がそんな事をするはずがない。俺達はエアストヴェルトの奴らを倒し、魔王を倒す為に今まで力を使ってきたんだ」
すると街の方から兵の軍勢がこっちへと向かってきているのをミティシアが気づく。
「三人とも逃げるよ。追手がこっちに来てる!」
優一は佐藤の胸倉を放して瓦礫から離れる。
「自分の目で確かめろ!俺は俺の目で確かめて決める。三人を守ると言う答えは変わらん」
そう言って優一は三人と共にエアストヴェルトに向けて走って行った。
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