第19話 混沌の予兆
「ど、どういうことですか・・・・?」
ブライトリヒ家当主ブラントは、突然の言葉に狼狽えた。
「数年前、娘が悪魔に取り憑かれた」
「そ、そうなのですか?」
「今日、学生の命を危険に晒した」
「何を・・・・」
「それらを悪魔と協力することで可能とした」
「だ、だから・・・・・」
「この国を危険に晒した」
よって
「お前には一族郎党の死罪を言い渡す」
「な・・・・!!」
ブラントは、死罪と聞いて憤慨した。
「証拠はっ、証拠はどこにある!!」
「・・・・・・」
言葉を発さない国王を見てブラントはニヤリと口元を歪ませた。
「サタナキア」
後ろから少年の声が聞こえた。
「ベリアル」
「!?」
「そしてマモン」
騎士団長エリスの声も聞こえた。
「な、何を言って・・・・」
「どいつだ。お前と取引をしたのは」
「き、君は何を言って・・・・」
「どいつだ」
アルベルトは、より一層威圧を強めながら聞いた。
ブラントはとんでもない威圧をしてくる者が少年と知って気を緩めた。
「そもそも君は誰なんだ?いきなり現れて私に向かってそんな口を聞くのは」
「アルベルトだ」
それだけ言えばわかるだろ?と訴えた。
「なっ、なぜ貴様が生きて・・・・・・っ!」
それを聞いてアルベルトは口を歪めた。
「なんで、今日初めて会ったのに名前を知っているんですか?」
「ーーー!!そ、それは息子から・・・・・」
確かにそれはあり得るな。だが・・・・
「本当に息子からだけか?」
アルベルトは、ガルムを呼んだ。
「こいつが誰かわかるか?」
ガルムを指しながら言った。
「あ?そんな奴知ら・・・・・・・な・・・・い」
「知ってそうだなぁ」
ブラントは明らかにたじろいだ。
「お久しぶりです、ブラントさん。あなたに雇われた”死神”です」
「な、なぜ・・・・」
”死神”
その名前を聞き多くの貴族がざわついた。
そんなに有名だったのか。まぁ、じゃなきゃ死神とかつかないか。
「いや〜、アルベルトの旦那を殺せと命じられたんだけど、負けちゃって」
さらに会議参加者はざわついた。
「子供を殺すのにあの”死神を使うとは」「これは、言い逃れできんな」
「しかし、あの少年何者だ?」
と貴族たちは話していた。
「・・・・・は、・・・・・お前はサタナキア様が殺しているはず!!」
なんで生きている!!と、とうとう隠すつもりはないらしい。
「まぁ、お前が協力した悪魔を倒したからだね」
「なっ・・・・・!!」
そんなバカな!!八柱だぞ!!と思いっきり隠すつもりは無くなったらしい。
「八柱!?」
「なんということを!!奴らにこの国の土地を踏ませたのか!?」
「英雄を裏切ったのか!!」
その場にいた貴族は、八柱という言葉を聞きブライトに憤慨した。
「落ち着け」
国王が一言、言い放った。
「それで、言い逃れはもうないな」
ブライトに尋ねた。
「ああ、もうない。そうだ、俺は奴らと協力した」
「なぜこんなことをした!!」
国王が初めて声を荒げた。
娘を苦しめたのだ、今まで落ち着いていたことがすごい。
「この国を奪るために決まっておるだろうが」
「なっ・・・・!そんなことのために!?」
「ああ、お前らはぬるま湯に浸かりすぎた!俺が王になり世界に宣戦布告をする!!こっちには悪魔がいるからな」
「・・・・・・もういい。衛兵こいつを家族とともに牢獄へ繋いでおけ」
「「はっ!」」
ブライトは意外におとなしく従った。
「まだ終わらんぞ!!私がいなくなってもこの国に巣食う闇は消えんぞ!!」
ブライトは、笑いながら連れて行かれた。
「これはまずいことになったな・・・・」
「陛下、どう対応しましょう」
貴族の一人が尋ねた。
「そうだな。皆、一度身辺を探ってくれ、奴らと繋がりがあるものを探せ」
「仰せのままに」
貴族たちは、王に頭を下げ次々と退出していった。
「アルベルト君だったかな」
「はい?」
声の方に振り向くと初老の男性が立っていた。
「私は、ハント・エルギス。エルギス家の前当主だ」
よろしく、と手を出してきた。
「こちらこそよろしくお願いします」
手を握り返し気になることを聞いた。
「エルギスというとマイナ様の?」
「孫を知ってるのか?」
やはり孫か
「はい、今日の演習で友人がお世話になりました」
「そういうことか。ならあの獣人の子がそうか」
知っているということは、アルカは無事なのか。
「それで私になんのようですか?」
早くアリスに会いに行きたいアルベルトは本題に入った。
「八柱を倒したんだって?」
「ええ、そうですが・・・」
「そうか・・・・・」
ハントは、ぶつぶつと何かをつぶやいている。
「あの・・・・・」
「ああ、ごめん。明日、屋敷に来てくれんか?」
「構いませんが」
「そうか」
待ってるよ、と会議室を出て行った。
結局、何が言いたかったんだろう。まぁ、明日行けばわかるか。
今度こそアリスに会いに行こうとした時、国王から止められた。
「なんですか?」
早く行きたいんだが・・・・・。
「アイナの件といい本当に世話になった」
ありがとう、と頭を下げられた。
「ちょっ、こんなとこでやめてください!」
他の貴族の方もまだいるから!!
面倒は嫌だから!!
「また、どこかでお礼をしたい」
「わかりました、落ち着いたらまた来ますので」
もう王族と関わるのは勘弁願いたいが・・・・・
「そうだな、しばらくは復興を願った祭りが行われるだろう」
瓦礫の中での祭りだがと言った。
祭り?なんだその言葉は・・・・・
いい!!アリスと行こう!!
では!!と大急ぎでアリスの元に向かった。
「アリス!!」
「!!」
アリスは、アルベルトの声に大袈裟に振り向いた。
「アル君!!」
アリスは、アルベルトに向かって行きそのまま抱きついた。
「おっと」
アルベルトは倒れそうになりながらも受け止めた。
受け止めたアリスは、震えていた。
「アリス?」
「ごめんアル君。ペンダント壊れちゃった・・・・」
それで泣いてたのか。
「気にするなアリス。またアリス
「!!」
”だけに”その言葉にアリスは大きく反応した。
「ほ、ほんとうに?」
「ああ。早速行きたいところがあるんだ」
そこで作ろうと言うと、
「うん!!」
と笑顔で、返事をした。
「そうだアリス、もしかして・・・・・」
「うん、超越化したよ!」
とステイタスを見せてくれた。
『名前』 アリス
『種族』天人 『性別』女 『年齢』十歳
『レベル』ー
『能力』A
『称号』覚醒勇者(New) 超越者 剣姫
『ユニークスキル』
聖剣 剣気 天元突破(New) 神装(New) 世界眼
『原初』
英霊化(New)
『加護』
最高神の加護
『覚醒勇者』 システム上の勇者から逸脱した存在
『天元突破』 全てにおいて万物の上位に至る
『神装』 神の力を宿す鎧を纏う
『英霊化』 英霊をその身に宿し、力を得る
・・・・・・・・・。
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