いつか、魔法使いになる君たちへ

ろひづか

1章

1話 再生の代償

プロローグ


 自分が事故で死んだ日・・・・・・・・・・の日記を書けと言われたら、何を書くだろう。

 人生最悪の日の振り返りだ。もしかしたら、死因になった出来事を後悔しながらひたすら書き殴るかもしれない。

 たとえば。

 アンドロイドに話しかけられても無視すれば良かった、だの。

 おかしな異音がしたらとにかく一目散に逃げろバカヤロウ、だの。

 そもそも学校帰りに買い食いしようなんて欲を出すなボケ、だの。

 そりゃそうだ。誰だって死にたくない。それに、死んだら・・・・めちゃくちゃ痛い・・・・・・・・のだ。呪詛にまみれた一ページになったっておかしくない。

 ただ、それでも。その日記がどんな悪文乱文になったとしても。

 最後にこの一文を書き足そうと思う。


 大丈夫だ。後悔はしない。だから絶対にその手を離すんじゃない。



 ***



 アンドロイドが、営業スマイルを貼り付けて近づいてきた。

「こんにちは、齋藤悠貴サイトウ ハルキさま。ただいま近くのお店でパンが焼きたてです。いかがですか?」

 二十代前半の女性を模したモデルだ。健康的なショートボブ。芝居がかった笑顔でこちらの目を真っ直ぐに見つめて、気さくに話しかけてきていた。

 学校帰り。高等部二年の男子学生ともなれば常に腹が減っている。空腹のあまりふらふらと街を歩いていたら、営業用のアンドロイドからカモだと認識されたらしい。

「えっと……いや、俺は……」

 彼らアンドロイドはプログラムに従っているだけで、心や感情はない。だからといって無碍にはしづらいのでややこしい。人間らしい振る舞いをされると、うっかり感情があると思い込んでしまう。応対には十分に気をつけなければならない。相手はその隙を狙っているのだ。

 断り方を考えていると、客を逃すまいとアンドロイドはずずいと遠慮無く歩み出てくる。

 近い。

「人気の焼きそばパン、今なら二割引でご提供中です」

 アンドロイドが右手を小さく振ると、立体映像ホロが彼女の手のひらの上にふわりと浮かび上がる。

 映し出された立体映像ホロは、焼きそばパンの精巧な模型だった。

 ふわふわしたコッペパンに、甘辛いソースがたっぷりかかった濃い味の焼きそばが挟まっている。青のりと紅しょうがのコントラストが艶めかしい。

 ああ、なんておいしそうな焼きそばパン。食欲への致命打クリティカルは避けられない。これを食べないなんて冒涜だろう。

 ———が、それ以上にその立体映像ホロに表示されていたキャッチコピーの方に興味が湧いた。

「二十世紀の食品フェア? 焼きそばパンって、二百年も前の・・・・・・食べ物なんですか?」

「はい。諸説有りますが、一九五〇年ごろに生み出されたそうです」

 焼きそばパンを食べたことは何度もあったけれど、歴史の凄みを持ち出されるとちょっと気になる。腹も減っているし、ちょっとした話のネタになるだろう。

「お店は近いんですよね? 案内して下さい」

「かしこまりました。徒歩でおよそ五分です。近道をご案内します」

 アンドロイドはくるりと振り返って道を先導し始める。

 彼女の仕草や外見は、営業用らしくかなり人間に似ている。

 それでも、髪と肌の質感、瞳の動かし方、所作や身振りを眺めていれば彼女がアンドロイドだと誰だって気付くだろう。なんというか、ほんの少しずつ何かが違う。正確すぎたり、の取り方が違ったり。

 二十三世紀が迫った今、人型の汎用アンドロイドは、自動運転車モービルと同じくらいありふれている。ただ、人間そっくりな高級品はまだまだ珍しかった。残念ながらこの目で見たことがないくらいには稀少レアだ。

 アンドロイドの後ろを歩いていると、街並みのそこかしこで立体映像の広告ホロ・アドが目に付く。建物の軒先、ショーウィンドウの中、ビルの屋上、果ては天高く浮かぶものまで。ホロを見かけない日はないと言っていい。

 騒々しいホロが鬱陶しくなって視界の端に意識を逃がすと、アンドロイドが案内してくれている店までの地図が視覚に直接・・・・・表示されていた。耳に引っかけていたイヤフック型の着用型端末リンクレットが表示しているものだ。店まではたしかに徒歩五分とかからないらしい。

 耳や首、額などに身につける小型の着用型端末リンクレットは、脳波や神経系を経由して引っ切りなしに五感に情報を送り付けてくる。BMIブレイン・マシン・インタフェース。人体と機械が相互通信するテクノロジーは、現代に生きる者にとって不可欠になっている。

 そんな風にきょろきょろしながら歩いていると、やがて先導のアンドロイドが道を曲がった。

「ハルキさま。こちらの公園を通り抜けた先です」

「あ、はい」

 彼女が指し示した先は荒涼とした公園になっていた。街中の公園にしてはずいぶん広いが大きな遊具もなく、まるで空き地のようだ。見渡してみても、他に来訪者は見当たらない。

 どうやらこの公園を抜ければ近道らしい。

 進んでいくアンドロイドのあとをついて公園の奥に踏み込む。


 ———そうやって、ハルキは足を踏み入れてしまった。

 やがて世界をひっくり返してしまう、すべてのはじまりの事件の舞台に。


 公園の中を進んでいると、

 ガァァァァァァァァァァン……。

「ん?」

 遠くから耳障りな金属音が響いてきた。

 余韻が大気を伝わってくる。

「どうかなさいましたか?」

 前を歩いていたアンドロイドが釣られて立ち止まり、近くに戻ってきた。

「や、こっちからなにか大きな音が———」

 言いながら物音が聞こえてきた方角を振り返って、すぐに異常に気が付く。

「———えっ?」

 銀髪の、小柄な少女がこちらに向かってまっすぐ駆けてきていた。

 少女は後ろを気にしながら走っていて、ほとんど前を見ていない。

 気付いたときには、避けられる余裕はすでになかった。

 ぶつかる。

「おっと!」

「あうっ」

 受け止めるような形で衝突する。可愛らしい悲鳴が耳に響く。

 胸元に受け止めた少女と、一瞬だけ視線が交錯した。

 ひどく驚いているようだ。目を見開いている。

 美しいブルーの虹彩だった。長く伸びた銀色の髪と相まって、神秘的な印象を受ける。絶世の美少女と呼んで差し支えない。歳は少し下だろう。

 まるで誘拐犯あたりから逃げてきたようだな、と思った矢先。

 ズズンッ!

 烈風が押し寄せ、視界が風圧で歪んだ。反射的に腕で顔をかばう。

「うわっ———?!」

 震動が地面を揺らし、同時にガシャンと何かが砕け散る音が聞こえた。

 うっすらと目を開けると、そこに立っていたはずの女性型アンドロイドの姿が忽然と消えている。

(は? どこに行った?)

 ———いや、違う。恐る恐る地面に視線を這わせて、ようやく気が付く。

 彼女・・はそこかしこに散乱していた。ついさっきまでアンドロイドだったはずの彼女の手足、頭や体、内部の骨格さえも、ぐちゃぐちゃに破壊された無残な残骸として周囲に転がっている。

「いったいなにが———」

 状況を推し量るために辺りを見回そうとして、巨大な人影がすぐ脇に立っていることにようやく気が付く。

 視線を斜めに持ち上げると、無機質な巨人がこちらを見下ろしていた。

 アンドロイドをたった一撃でガラクタに変えてしまった張本人と、目が合う。


 それは、端的に言えば『二足歩行ロボット』だった。

 身の丈およそ三メートル半から四メートル。

 非金属軽量フレームで骨格を形成し、複合多重装甲で身を包み、二本足で立っている。

 角張った不格好なデザインに、飾り気のないグレーの塗装。その風体は、安普請ながら力強さを感じさせる。

 武装は何も持っていない様子だが、たとえ非武装であっても成人男性の倍以上の全高から発せられる威圧感は、こうして肉薄すれば眼前に銃口を突きつけられているようなものだ。

 その装甲は小銃程度では歯が立たず、歩兵では太刀打ちできない。重機のごとき膂力と野生動物じみた瞬発力を併せ持つ、四百から五百キログラム少々の有人機動兵器。

 すなわち、人型拡張外骨格兵装。通称、機兵ジャケット

 戦地を縦横無尽に駆けめぐる、陸戦最速の兵器が目の前に立っていた。


「なんでジャケットがこ」んなところに、と続けようとしたところで、

「させるかあああああっ!」と、女性の大声が響いた。

 声の方角に視線を送る。

 圧巻だった。

 生身の、何の武装もしていない女性が、視界のはるか斜め上からすっ飛んできたと思ったら、巨人ジャケットの肩口に跳び蹴りを浴びせて何メートルも吹き飛ばしたのだ。

「———は?」

 ありえない。もし強化外骨格パワードスーツを身につけていたとしても、いや、全身が機械化されたサイボーグだったとしても、ジャケットを蹴り飛ばすなんて荒技は人間にはできない。

 そのはずなのに、生身の女性に蹴られたジャケットは、おもちゃのようにガランゴロンと地面を転がりながらすっ飛んでいって、公園内の樹木にぶつかってようやく止まった。

「ちっ。仕留め損ねたか。でも間一髪ね。リゼ、大丈夫?」

「大丈夫。ミサキのおかげ」

 ジャケットを蹴散らした女性はミサキと言うらしい。茶色い髪をポニーテールでまとめていて、スポーティな服で身を包んでいた。凛とした声音からは芯の強さを感じる。

 リゼと呼ばれた銀髪の少女は、腕の中にいたはずなのにいつの間にか二歩くらい離れた場所に移動していた。

「え、えぇー……なにこれ……どうなってんの…?」

 偽りのない正直な感想だ。何がどうなっているのかさっぱりわからない。

「あなた、怪我はない?」

「は、はい? けが?」

 ポニーテールの女性———ミサキに突然声を掛けられて、挙動不審になってしまった。

「あっけにとられるのも無理はない、か。リゼ。彼とそこにいて。片付けてくる」

「わかった。こっち」

 銀髪の少女———リゼはこちらをちらりと見てから、近くにあった樹木の脇に駆けていく。こっちに来い、という意味らしい。

 ついていこうとすると、ミサキが何か叫んでいる。

「あっ!? しまった! トマスッ! 衝撃で通信機が壊れた! 公衆回線オープンチャンネルで中継できる?! 自分の端末リンクレットで拾うから!」

 今度は若い男の声が耳元の端末リンクレットから聞こえてくる。

『っだーっ! うるさいなもう! 大声を出さなくても聞こえてるよ。はいはい中継してるよ』

 次の瞬間、さらに二機、交戦中のジャケットが公園の奥の方に飛び込んできた。

 一機は、白を基調にした流麗なデザインの機体だ。まるで石膏細工の巨象が動いているようにも見える。右手には警棒らしきものを持っていた。着地の瞬間、フォンと静かな低い音がしただけで衝撃はない。

 もう一機は、灰色で無骨な形をした、最初に蹴り飛ばされた機体と同じタイプだった。無骨で粗野な四角いデザインは、美しい白い機体とは対照的だ。両手には何も持たず、徒手空拳。こちらは着地と同時に地面にずうんと響く。

『聞こえてるな? 公園内に範囲は絞ってるが、民間のチャンネルだから端末リンクレットが待ち受け中のご近所さんには丸聞こえだぞ。注意してくれ。ったく、私物の端末リンクレットもアドレス登録しとくんだったな』

『オーケー。こっちは一機目をやるわ。そっちはそっちで何とかして』

『了解』

 端末リンクレットから、聴覚を通じて公衆回線オープンチャンネルを使った会話が聞こえていた。

 思わず、口から声が漏れる。

「ほんと、なんなんだ、これは……? まさか現実リアルで撮影、とか?」

 気が付いたら、まったくもって非日常な状況に放り込まれている。知っているもので当てはめて理解しようとしたら、映画くらいしか思いつかなかった。

 ただ、今どき映画なんて人工知能が映像をつくるもので、わざわざ現実でカメラを回すとは思えない。ストーリーだって人間が書いていないものは多い。もちろん人手にこだわったものもあるにはあるが、それにしたってジャケットを三機も持ち出すのはちょっと考えられない。

(映画じゃない、とすると、本当にジャケット同士の戦闘? でも、あのミサキとかいう女の人は生身でジャケットを蹴り飛ばしてたぞ?)

 百歩譲って、本当に「街中でジャケットの戦闘に巻き込まれた」としても、「生身の女性がジャケットを蹴り飛ばして、そのまま追撃している」ことの説明が付かない。ジャケットより強い人間サイズの存在なんて現実リアルにいるはずがないのだ。質量と大きさが違い過ぎる。

(えーっと……逃げようにも、どこが安全なのかわからないし……)

 考えている間にも、ジャケット同士やミサキの乱闘は続いていた。銃撃戦だったらとっくに蜂の巣かミンチにされていただろうが、全機が素手か警棒で殴り合っているだけなのが救いだった。

 それでも、ここから迂闊に動くと巻き込まれる予感がする。どうしたらいいのかわからず、樹木の傍らでそわそわしながら固まっているしかない。

 だというのに、すぐ近くに立っているリゼは落ち着いた様子でことの成り行きを見守っていた。

 彼女に視線を向ける。

「?」

 青い瞳と目が合った。リゼはきょとんとしている。

「あのさ。これって、なんなのかな」

 すっとぼけた質問という自覚はあった。けれど、それ以上に尋ねようもない。

「狙われてるの、リゼ。だから、心配ない」

「そうなの? というか、狙われてる?」

 この子には狙われるような理由が何かあるのだろうか、という別の疑問が湧く。

 湧いたが、それを尋ねる間もなく———

『おい! もう一機来るぞ!』

『伏兵ッ!?』

 トマスとミサキからの音声に意識がもっていかれた。

 ヒュゥゥゥゥゥゥ、と風を切り裂く音が遠くから聞こえてきて、それがだんだん大きくなり、やがて、

 ドオォォォォォォンッ!

 轟音とともに、目前に三機目の灰色のジャケットが着地していた。

「うわぁ!?」

 思わずのけぞっていた。それ以上のことは何もできなかった。

 隣に立っていたリゼも立ちすくんでいる———そうに違いないと思って見やると、そんなことはなかった。視界の端に見えたリゼは躊躇することなく素早く身を翻すと、その場から離れるようにステップを踏む。

 ———でも、もう遅かった。


 ジャケットは、あらゆる陸戦兵器の中で最速の反応速度を誇るものであって。

 人間が少々あがいたところで、その魔手から逃れることなんてできやしない。

 眼前に現れた灰色のジャケットは、リゼに向かって全速力でその拳を繰り出そうとしていた。

 そして、リゼを殺害するつもりに見えた。


 だから、この少女は———助からない。


「あ」

 リゼが驚きの声を上げた。ジャケットに攻撃されたことに、ではない。

(間に合え———っ!)

 咄嗟に、リゼの腕をつかんでいた。

 こういうときにどうしたらいいのかなんて知らない。

 ただ近くにいた女の子が危ないと思ったから、反射的に飛び出して、手を伸ばして、引き寄せた。

 かばって守ろうとか、そういうかっこいいことを考えていたわけではない。

 結果としてそうなってしまっただけで。

(少し冷たいな)

 リゼの腕は、触ると少し冷たかった。体温が低いのだろうか。

 そんな寝ぼけた感想を思い浮かべて。


 直後。

 からだが、リゼの代わりにジャケットの拳に貫かれた。


「がひっ!?」

 肺に残っていた空気が勝手に漏れて、おかしな悲鳴が出た。

 何メートル、吹き飛ばされたのか。

 視界が引っくり返って、ぐるんぐるんと何度も回った。地面にたたきつけられたことはわかったが、そこがどこの地面なのかはわからなかった。

『貴様ァァァァァァァァァァァ!!!』

 耳元でミサキの絶叫が聞こえた。耳につけていた端末リンクレットは外れずに生きているらしい。

 ミサキが凄まじい速度で突っ込んできて、三機目のジャケットを一撃で破壊するのが視界の端に見えた。ただ殴っただけに見えたが、まるで砲撃されたみたいに機体が砕け散り、破片がばらばらと落下する。

 残り二機。

 からだはまったく動かない。倒れていることだけはわかる。でも、仰向けなのかうつ伏せなのか、はっきりしない。上下左右の感覚が無い。

『こっちも仕留めた!』

 トマスと呼ばれた男の声だ。

 これで、あと一機。

 端末リンクレットが耳についたままということは、それほど大きな衝撃は受けなかったのだろうか。

 意外と、たいして、ひどい、怪我では、ないの、かも、しれない。

『おい、こいつら中身が空だ! 無人機か?! どうなってやがる!?』

『なんですって? まさかもう一機も?』

 トマスとミサキのやりとりの後、聞き覚えのない声が聞こえてきた。

『あーあー。派手にやってくれちゃって。二対一じゃさすがにこれ以上はなぁ』

 やんちゃそうな少年。そんな印象の声だった。姿は見えない。視界の外にいる。

『おいおい、ガキが生身でジャケットから降りてきたぞ……。戦闘服インナー抜きであんな機動やってたのか。死ぬだろ、普通』

 トマスの驚きが音声越しでも伝わってきた。

 ジャケットの全力の戦闘機動は、生身では慣性が大きすぎて耐えられない。シェイカーに入れられて全身をシェイクされるようなものだ。

 それなのに少年の声は溌剌としていた。

『ポニーテールのねーちゃん、次はサシで喧嘩しようぜ! ンなのろまな愛玩人形ビスクドールなんて守りながらじゃ全力を出せないだろ? ———じゃあな!』

『逃がすか!』

 ミサキの声だ。追いかけるつもりらしい。

 しかし、次のトマスの声で追跡ができなかったとわかる。

『はぁ!? 何だ今の。ジャケットより速いぞ、あいつ。もうセンサー範囲外だ。追えるか?』

『無理ね。私の全力でも追いつけない』

『マジか。あれ、どう考えてもお前のご同類だよな』

『十中八九、ね』

 意識が、遠のく。

 どれくらい時間が経ったのか。

「リゼ! 無事!?」

「怪我、ない。でも、この人」

「エグいな……腹部にかすったのか? 学生だよな。民間人を巻き込んじまったか」

「これは、助からないわ。病院に運んでも間に合わない」

 たすからない。どういういみだろう。

「いっそ直撃の方が即死で楽だったろうにな。どうする」

「助ける。運んで」

「ホワッツ!? リゼ、本気で言ってるのか? こいつを? どうやって?」

「方法、ある。言えない、けど。リゼ、助けられた。助けたい」

「こうなったらテコでも動かないわよ、この子。トマス、ジャケットで運べる?」

「あー、もー、わかったわかった。精密輸送するよ。迂闊に揺らしたら中身・・がこぼれちまう」

 こぼれる、なにが、こぼれる。



 ここで、ぷつりと意識が途絶えた。




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