自己嫌悪

「ただいま」

「おかえり。少し帰るのが遅かったけど、どうしたの?」

 リビングのソファでくつろぐお母さんが私に声をかける。

「いや、少し友達とコンビニで買い物に行ってて」

「……あら、そうなの。楽しかった?」

「うん」

 私はお母さんに向けて偽りの笑顔を浮かべ、答えた。

 そして、そのままお母さんの顔を見ることすらなく自室に向かい、自室の扉を閉めた。

 

「はぁー」

 私は制服姿のままベッドにダイブする。

 今日もお母さんに嘘をついてしまった。

 心配かけたくなくて、本当のことを言うのが恥ずかしくて、つい嘘をついてしまう。

 よく親は子供のことを一番理解しているという。

 本当にそうだろうか。

 反抗期だから、心配かけたくないから、恥ずかしいから、親に自分の素直な姿を隠す。

 どうして自分が隠している素直の姿を完璧に知ることができるのだろうのか。

 結局のところ、自分の理解者などどこにもいない。

 いや、私がいけないのだ。素直になれない自分が。

 だが、だが、誰が理解してくれようか。薄汚い殺人者でしかない私を。何の罪もないたくさんの犬や猫の命奪ってきた私を……。


 私なんて生まれてこなければよかったんだ。

 

 自己嫌悪の海に沈みながら私の意識はだんだんと落ちていく。

 いくら後悔しようとも、いくら自己嫌悪しようとも、強制的に明日は訪れ、私はまた命を奪うのだろう。


 あ……ペットボトル……。

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