まず最初に
転機は17歳のいつかだ。俺はある女性に出会った。その女性は黒髪で華奢で白く透き通った肌をしていた。目元のほくろは少し色っぽく彼女の魅力を引き立てていた。対して俺は数学と理科が得意である以外の取り柄は無く。仲良い友人も、高一の時に出会った真鍋のみだ。彼女は人当たりが良くスポーツもできた。才色兼備とは彼女のためにある言葉と言っても、過言ではなかった。
高校2年の文化祭の準備が始まった。そしてそこでは劇をする事になった。在り来りな恋愛激だ。脚本は同じクラスの女子だった。ヒロインはもちろん彼女。王子様役に真鍋が選ばれた。俺は学校の先生役立った。
王子様であれば話す機会があったのにと後悔していた時、彼女が教室で1人で窓際に立って外を眺めていた。俺は「何してるの?」と聞いてしまった。彼女は笑って「私やりたくないんだよね」と苦笑いを浮かべていた。そうして1時間ほど話して鐘が鳴った。
この日を境に話す機会は増えて高二の終業式俺は彼女に告白した。「はい、私でよければ」泣いているような笑いで答えてくれた。
それから勉強し''いい大学''と呼ばれる物に入った。多くの知識を得て私は教師になった。24の春。私晴れて高校の理科教員になったのだ。翌年高校から付き合っていた彼女と結婚した。28の冬子供を身篭っている事を知ったのだった。
これが幸せで、私はこれ以上を望むつもりになれなかった。双方の両親は喜んで祝福を上げてくれた。
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