第59話 「今日はさ、ちょっと不思議な短編なんです(笑)」
『あなたのツノ、確認できます』
あるとき、おれは飲み屋で金が足りない男を助けた。不足分を払ってやったのだ。すると男はこういった。
「私はじつは、妖精なのです。親切のお礼に不思議な力をさしあげましょう」
その日から、おれは人間の頭にツノが見えるようになった。水牛みたいなツノがおでこから天に向かって突きだしているのだ。
よくみるとツノが生えているのは男だけじゃない。男女の関係なくツノがある人間とない人間がいる。しかも、ある日とつぜんツノが生えるみたいだ。
ツノがあるのは大人だ。16歳くらいから生える。幼稚園児などはない。
いろいろかんがえて、おれは気が付いた。
どうも、配偶者やパートナー、恋人に浮気されている人間はツノがあるようなのだ。
うちの課の課長は3カ月ほど前から生えはじめた。
総務の部長は先週、ツノが消えた。
行きつけのバーのマスターのツノは、生えたり消えたりする。パートナーが浮気を繰り返しているんだろう。
おれは、相手のおでこを見るだけでその人の恋愛状況がひとめでわかるようになった。だからといって、いいことはない。
おれはいま恋人がいないから、ツノがあるはずがはない。
しかし今朝からどうもむずむずする。むずむずしつつ仕事を終え、うちに帰ってシャツを脱いでから、驚いた。
全身に、針が生えていた。
どうもおれは。
過去のパートナー全員に、浮気されていたらしい。
こんな能力、もらわなきゃよかった。
ーーーーー了ーーーーー
パンダ、こんなんも、書くんです(笑)。
あすより3日間、旅に出ますのでエッセイはお休みです。
140字は過去作を予約投稿してまいりますねー!
月曜日の夜に、またお会いしましょう。
パンダより。みなさまへ愛をこめて💛
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます