第63話…決戦前
「ごめんなさいなのです…」
「あ、気にしなくて良いのよセシア、オネを助けたいと思ったんだよね。オネは助けるから安心して」
「ミリー今日からお酒抜きな、あと最近射撃練習してなかっただろ」
…まぁエイムは3日休むと狂うって言うしね…
「そんなぁ、ちょっと気が乗らなかっただけじゃないピアニィ」
「こういうのは習慣づけるもんなの。休んだ分練習量増やすからな」
「えぇ~」
…いいぞピアニィ、ミリーには少し厳しいくらいが丁度いい…
「そう言えばロボの姿を見かけないんだけど、どこ行ったの?」
「ロボは馬の蹄の跡が消えないうちに場所を特定したいって言って出て行っちゃった。とりあえず馬が逃げた方に向かって進むよ。途中で合流する予定」
「ま~ロボに任せとけば安心だね」
…だよね~
「ドトロアには寄らないの?」
「うん、シキちゃん連れて王に直訴するって手もあるんだけど、肝心のオネがいない上に、大げさになると奴隷商が証拠隠滅をはかる可能性があるのよ」
「そうか、そうなると殺されちゃうね」
「うん。だから、なるべく静かに短期間でけりを付けたいんだ」
「でも、そうなるとかなり厄介ですね。相手も奇襲には備えてるだろうし、ドンノッサ族が魔王と共闘するとなると、全滅するかもしれませんね」
「そうなのよシキちゃん。言語解析の結果、アンチマジックの効果範囲は自由に設定できるみたいなの」
「北斗の視界に入っていればドンノッサ族を無力化できますが、相手もそんなバカじゃないでしょうし。アザミが戦略を考えてると気が抜けませんね。魔王みたいにバカだったら何とかなったんですけど」
「何とかならない?シキちゃん…」
「地味だけど、想定される状況をパターン化して、対応策を立てるしか無いですね」
「そうなるよねぇ」
「はい、ロボが合流したら数百パターンの状況をシミュレートしますね。ただし、1番重要な点なんですが、わたしが立てた対応策は先輩の命を最優先に考えてます。それだけは譲れません」
「うん、わかったよシキちゃん」
「北斗がクロエの背中に乗れれば、かなり戦略の幅が広がるんですけどね」
「確かに、
「あれ結構魔法のリソース使うんですよね、鞍があってもかなり練習しないと辛いですね、クロエ凄く速いから」
…
次の日の夕方ロボが帰ってきた
「お疲れ、ロボ。どうだった?」
「はい、場所は突き止めました。ですが相手もかなり警戒してますね。人が索敵に出ていれば何とか対処できるのですが、レイスやファントムがうろついてます。相手もわたしに気付かないみたいですけど、こちらからも攻撃が通りません」
…そうか、前回の戦いでも死霊系はロボの存在自体に気付いてなかったみたいだからね。つまり石みたいな認識なのかな?…
「アンチマジックエリアとアンデッド召喚はかなり相性がいいですね」
「どうしてアンデッドは動けるのルビィ」
「うん、アンチマジックエリアは魔法の発動ができないだけで、召喚したアンデッドは動けるんだよ」
「最強コンボやなぁ。あたしの聖属性魔法も使えないんかぁ」
「まぁバカとはさみは使いようって言いますからね」
…やだ、シキちゃん相変わらずね、オラオラ系に恨みでもあるのかな?…
…
2日かけて目的地にたどり着いた。状況のシミュレーションも立てた。だけど最後は自分の判断力が勝負の分かれ目だと思う。
シキちゃんの鞭がへたる…
「ここからエリアみたいですね」
「だね。亜子お願い」
「任せて、最大範囲で発動するよ」
「ターンアンデッド!」
前回の魔法より範囲が広い。亜子のターンアンデッドは円形状にしか発動できないのが悩ましい。遠くでアンデッドの叫び声がこだまする…
「セシアよろしく」
「はい、いくのです」
「おいで、わたしの僕たち…」
100体を越えるアンデッドが召喚された。魔道石で魔力を底上げしているので、以前とは比べものにならない数だ
…ウ~ン何回見ても慣れないなぁ、この後景は…
「クロエとシルビーも用意はいいかな?」
ペロペロとわたしの顔を舐めてくる。カワイイ。もしもの事を考えて2人には変態してもらった。シルビーの魅了は使えない、ノイズキャンセリングの魔法が使えないからだ。一応耳栓も用意してあるんだけど…
戦闘に慣れていない人、魔法が使えなくて戦闘に参加できない人は待機をお願いしたのだけれど、みんなついて行くと言ってくれた。でも、みんなもしもの為に訓練は欠かさなかったから、そこら辺の冒険者並みには強いんだけどね。ありがたい。…
「よし、みんな行くよ!」
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