第17話 出来損ない人間の絶望
母が家に帰ってきた、階段を上がり、
妹の顔を思いっきり殴った
ものすごい勢いで、普段俺を殴るよりも強く強く殴り続ける
「なんで学校行かないの!」
母が《人間が出す声とは思えない音を出す》
妹は、泣いている
自分は知っている、殴られる痛みを……
「早く答えろよ!なんで、お前も学校行かないんだよ!」
母が一音一音声を出すと同時に妹を殴る
そして、《俺にもターゲットしたようだ》
母の前に俺を正座させ、俺と妹を交互に殴ってくる
そして、俺たちが座らせている、カーペットには、飼っていた犬がもようしたあとが、
それを見た母は、
「なんだよこれ!お前犬を2階に上げただろ!ふざけんなよ!」
そう言って母は俺と妹の髪をガッチリ握りしめて
その、飼っていた犬がもようした、廃棄物に顔面を交互に打ち付ける
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も
俺は我慢している、我慢ができる
こんなこと、日常茶飯事だったから…
でも、妹は違う
もう、精神的に限界なのだろう…
こんなこと、あり得ないと思っているあなたへ、これは現実でも、かなり多いケースだ
子供が、生きづらく、毎日毎日を行きたくもない学校に行き、やられたくない暴力を受ける
インターネットが普及していない時代だったからこそ
これは、この家だけで起きていることじゃない、過程環境に恵まれてない人間は、必ず経験していることだ
このような事件が見てみぬふりをされる
子供は親の言いなりにしかなれない
親の金で学校へ行き、親の金でご飯が食べられて、親の金で生きている
《子供は…無力だ》
だからこそ、親が、先生が、周りの大人が正しく導いてあげなければいけない
子供に夢を与えなければいけない
決してこのような暴挙に出てはいけない
俺は、12歳でこのことを痛感した
でも、それでも、黙って従うしかない
《だって、俺は小学6年生なんだから》
《この人間を、殺してしまおう》
一瞬俺の頭から声が聞こえた
だが、俺よりも早く……
「死んでやる!全員一緒に死んでやる!」
母の方が先に殺そうとしてきた
「ガスを漏らして、みんな心中してやる!」
どうやら毒による死亡がご希望らしい
俺はそれでもいいと、思っていた
それで、この人生が終わるなら………
でも、俺の足は母の隙を見計らい、玄関へと駆け足で逃げて、《外に出た》
逃げた先は、親戚の家の屋上だった
全く、視野が狭いな
河川敷とか警察とかいろいろあったはずなのに
……なんで?、逃げたんだろう?
死ねば、これから起こる辛い人生から、逃げられたのに
大量の涙が頬を流れる……
あぁ……おれは…おれ…は…まだ、
《生きたいんだ》
「おかしいな?こんな、こんな失敗しかない人生で
誰かのストレス発散器具みたいな、生活で
誰にも必要とされてないのに
頭がポンコツなのに
まだ、まだ生きたいと………
地獄を見たいと言うのか!!!」
自分を揶揄する
「会話がうまくできねぇんだぞ!!
こんなんで、人間社会生きれるのかよ!!
勉強が出来ねぇんだぞ!!こんなんで、どうやってやりたいこと見つけられるんだよ!!」
自分をひたすら揶揄する
「助けなんか、来なかっただろ!!
誰も助けてくれなかったじゃないか!!
見て見ぬ振りだ!!
自分じゃあ、どうしようできねぇ!!自分のことなのに!!
人に迷惑かけて、それでも生きたいってゆうのか!!」
「この先を、どうやって生きたらいいんだろうか?」
…………………………
《死ぬのが、怖い》
その、言葉だけが頭の中に取り残された
しばらく経つと、妹がやってきた
どうやら、心中するのは辞めたらしい
それから少し経つと、祖父が屋上に現れた
母と祖父が話し、しばらく経ったら家に帰る
あの、《自分の産みの親に》
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