第4話 ラプンツェル④

 まずは、一階に入った二人は、その中央に大きなクモが居ることに驚くのでした。


 そして、周りをよく見ると、子グモが壁にびっしりと居るではありませんか!


 クモの赤い眼が、一斉に、エリーゼたちに向けられました。

 そして、ギザギザの牙をガチガチと鳴らすのでした。


 エリーゼは、気を失いそうになりました。

 王子は、エリーゼを抱き止めると言うのでした。


「エリーゼ、大丈夫だよ。僕は、その辺に居る、ヤワな王子では有りません。言ったじゃないですか、僕には勇者の血が流れていると」


 そう言うと、王子は腰に下げていた聖剣を抜き払うと、何やら呟き、剣を十文字に切り違えるのでした。


 聖剣からは聖なる炎が放たれ、一階のフロア―全体に広がりました。

 エリーゼ達には、熱さも感じないばかりか、心地よい温もりが心をも満たす様に感じるばかりでした。


 その燃え盛る炎が満ち溢れ、目も開けていられない位でしたが、やがてそれが治まると、クモ達は消えていなくなっていました。



 次に、二人は2階へと上がりました。


「ようこそ、王子様、お姫様」


 出迎えたのは、エリーゼには、イケメンで引き締まった身体をしている若い男性が10人、王子には、ボンキュッボンの艶めかしいスタイルと服を着た美女が10人。


 彼ら、彼女らは、それぞれエリーゼと王子の周りを取り囲むのでした。


 エリーゼは、一人の男性に右手を取られると、その手にキスをされ、その右手をその男性の頬に当てがわれ、スリスリされるのでした。


 そして、もう一つの手を別の男性に取られると、その手にキスをされ、その左手はその男性のムネ元に当てがわれ、スリスリさせられるのでした。


 更に、エリーゼは、頭を撫でつけられ、両頬に二人の男性がキスをし、両耳に息を吹きかけられ、両足はそれぞれ、キスをされ、二人の男性それぞれのムネに掻き抱かれるのでした。


 そして、正面の一番イケメンの男性が、唇にキスをしようと迫ってくるのでした。


 王子も、同様の事か、もう少し過激な事をされているようでしたが、詳しくは省きます。


 王子も、正面の一番美人な女性が口にキスをしようと迫って来ていました。

 女性の口から甘い・・・・いや、ドブの腐った様な生臭い臭い?がして、我に返った王子は聖剣に手を掛けると、それを少し引き抜きました。


 すると、聖剣から眩いばかりの光が放たれ、美人やイケメン達の本性をさらしたのでした。


 そこに居たのは、トカゲ人間でした。

 口から、長く細い舌がニュルっと出ていました。


「ヒ、ヒェーーーー!!」

 エリーゼは叫び声をあげて、気を失いました。


 王子は、トカゲ人間に対して躊躇なく聖剣を振るいました。


 あっという間に、王子はトカゲ人間を退治すると、エリーゼの元へ行って抱き起しました。


 そして、エリーゼの唇に、そっと、キスをしました。


 すると、エリーゼは、目を開けて、王子にきつく抱きつくと、熱いキスを交わしました。


「あ・・あの、ごめんなさい。わたし、王子様とジョーを勘違いしてしまって」

(ウソだけど)


「いや、僕の方こそ、急にキスなんかして・・」

(あまりに、寝顔が可愛くて)


「えへへへへ、なんか、恋人同士みたい」

「アハハハ、でも、僕は、今は恋人同士でも構わないけど」


「なにを言ってるのよ~~」

 バチンと、笑顔で王子の肩を叩くエリーゼでした。


「おうっふ!」

 ちょっと、肩を痛めた王子でした。


 二人は、急にイケメンや美女に囲まれて、変な気分になったから、キスをしてしまったと、この時は思っていました。


 そして、次の3階へと上がります。

 二人は、手と手を繋いで上がって行きました。


 つづく


 あれ?これは?

 それぞれ、結婚を誓い合ったヒトがいるのに?

 いいのかな?

 ってか、どうなるの、この二人の関係?


 えっ?そういう話しだっけ?


 作者もわからなくなるのでした。




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