【夫婦恋愛】友泉(ゆうみ)とたっくん

佐伯達男

その1

「たっくん、早くぅ。」

「かあさん、待ってよ。」


ぼくとかあさんが暮らしている家にて…


かあさんは、黒のユニクロのアクティブシームレスのワイヤレスブラ(以後、フィットネスブラ)とシームレスハイライズレギンス(以後レギンス)の上から白のブラウスをはおって、下はネイビーの女の子ジーンズを着て、白いシューズをはいて、右手に白のトートバッグを持っている。


ぼくは、ダークブラックのスーツに水玉模様のネクタイの姿で、右手にジュラルミンケースを持って、黒い革靴をはいた。


「お待たせ…じゃあ、行きましょう。」


ぼくは、かあさんと手をつないでそれぞれの職場へ向かった。


(ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…)


かあさんとおててをつないでいるぼくは、胸の奥の鼓動が激しく高鳴って苦しくなった。


かあさんのぽってりしたやわらかいくちびるとふくよかな乳房をチラチラとながめていた…


ぼくは、かあさんの肩に寄り添いながらスリスリしていた…


「かあさん…かあさん…」

「たっくん…甘えん坊さんね。」


それから4分後…


かあさんがパートで働いているパン屋さんに到着した。


「たっくん、かあさんと一緒はここまでよ。」

「イヤだ…さみしいよぅ~」

「たっくん、たっくんは冷熱会社へお仕事に行くのでしょ…夕方になったら会えるよ。」


かあさんは、ぼくの手を離したあと店舗に入った。


ぼくは、歩いて今治バスセンターへ向かった。


ぼくは、今治バスセンターから大西・菊間方面行きのバスに乗って、最寄りのバス停まで乗った。


最寄りのバス停でバスを降りたあと、そこから歩いて会社へ向かった。


かあさんが働いているパン屋さんの店舗にて…


「いらっしゃいませ。」


今日も、たくさんのお客様ができたてのパンを買いにやって来た。


「ありがとうございました。」


お客様が帰った後、パン屋さんのご主人様がかあさんに声をかけた。


「友泉(ゆうみ)ちゃん。」

「ご主人様。」

「友泉(ゆうみ)ちゃんはよく働くね。」

「ありがとうございます。」

「ちょっと、生地の仕込みを手伝ってくれるかな?」

「分かりました。」


パンの製造場へ移動したかあさんは、パンの仕込みのお手伝いをした。


その頃ぼくは、冷熱会社にいた。


ぼくが配属されている営業三課のオフィスにて…


「さて今日は、大西のF造船とR造船に行かないと…課長、今日は直帰なので、よろしくお願いします。」

「了解。気をつけてね。」

「では、行ってまいります。」


準備を整えたぼくは、オフィスから出発した。


午前と午後に分けて、大西の造船所2軒の営業回りに行った。


ところ変わって、大西町の中心地にある藤山公園にて…


午前中の仕事を終えたぼくは、ベンチに座ってパン屋さんのご主人様が作ってくださったミックスサンドでランチを摂っている。


「ねえ、おかあさん。」

「なあに?」


ぼくが座っているベンチの近くの芝生で、3歳の子供がおかあさんに甘えているのを見た。


ぼくは、かあさんと出会った時を思い出した。


ぼくの名前はたみお。29歳。仕事は、造船関係の冷熱会社の営業スタッフです。


かあさん…ぼくの妻の名前は友泉(ゆうみ)。53歳。家の近所のパン屋さんで働いています。


ぼくとかあさんが出会ったきっかけは、松山の結婚相談の店の人の紹介である。


話は、3年前のことであった。


結婚したいと思ったぼくは、コンカツを始めた。


となりの町に住んでいるいとこが職場で出会った女性にプロポーズして入籍したと言う話を聞いたから、ぼくも結婚したいと思った。


しかし、両親や親族たちは自分たちのおい(ぼくのいとこの男性)の結婚ばかりに集中していたから、自分ひとりの力で相手をさがすことにした。


ぼくは、松山市内の結婚相談の店を手当たり次第に回ってお願いした。


けれど、想わぬかべにぶち当たったのでやめた。


そんな時、職場の人から『街コン(いまバル)があるから参加してみたら?』と言われたので、街コンに参加した。


街コンに参加したぼくは、今治市内の飲食店を一軒ずつ回って、結婚相手の女性を探した。


しかし、お目当ての女性はいなかった。


だから、ぼくはコンカツをやめた。


8月の今治おんまく(夏祭り)の時であった。


職場の踊りの連に参加したぼくは、同じ連に参加していた男性からカノジョを紹介された。


相手は、富田神港にある食品会社のOLさんで、紹介して下さった人の妹さんであった。


ぼくは、すぐにカノジョと付き合い始めた。


最初のデートは、市民の森(今治市政50周年記念公園)へ行った。


場所は、浄水場の広場の公園にて…


カノジョと二人きりになった時、ぼくは思いきってカノジョに『好きです。』と告白しようと思った。


しかし、その時にカノジョが想わぬ言葉でぼくに言うた。


「ねえ…ここ、人がいないよね。」


そうだけど…


「変なことしようと思っていたのでしょ?」


ちっ…


違うよ…


カノジョは、ぼくに言うた。


「アタシとあなたは、まだ付き合い始めたばかりよ…それに…」


それに…


「あんた、母親への思いがまだ残っているわね。」


ぼくは、カノジョに痛いところを突かれた。


カノジョは、ぼくに『甘えないでよ!!』と怒鳴ったあと、その場から立ち去った。


ぼくとカノジョの初デートは、始めてから20分で大失敗に終わった。


カノジョに帰られたぼくは、カノジョを紹介して下さった人と商店街で会った。


「どしたん(どうしたの)?カノジョは?」

「帰られた。」


カノジョを紹介して下さった人は、ぼくに言うた。


「ヤレヤレ、さんざんやったのぉ…ほんならメシでもおごったろか。」


ぼくは、カノジョを紹介して下さった人と一緒に商店街の中にあるまちなか広場(ほんからどんどん)へ行った。


ところ変わって、ほんからどんどんの中にて…


ぼくは、会社の人と一緒に晩ごはんを食べながらお話をした。


ぼくは、今治のB級グルメ『焼き豚たまごめし』と中華そばの大盛りを、会社の人は焼き鳥とビールを注文した。


ぼくが焼き豚たまごめしと中華そばの大盛りをペロリと平らげた後、会社の人と一緒に話しをした。


「おいコラ…」

「なんぞぉ~」

「一体、何があったのか…わけ話せ。」

「わけ?」

「お前、カノジョから何ぞ言われたんか?」


わけを聞かれたぼくは、カノジョに帰られたわけを話した。


それを聞いた会社の人は、ムチャブリ声でぼくに言うた。


「お前は、カノジョに変なことしようと考えていたのだろ!?」


うっ…


「正直に言えや。」


ぼくは、つらそうな声で『そうでした…』と認めた。


カノジョを紹介してくださった人は、ムチャブリ声でぼくに言うた。


「お前は、カノジョに母親や姉の代わりにしようと思っていたのか?」

「違いますよ。」

「ウソつくな!!カノジョはカノジョ、母親は母親だよ…お前はオレの言うた言葉が分からんのか!?」


会社の人からダメ出しを食らったぼくは、さんざんな目に遭った。


カノジョはカノジョ…


母親は母親…


そんなこと、誰でも分かるよぅ…


やっぱり自分ひとりの力で結婚相手を探そう…


そう決意したぼくは、それから何日か後に再び松山の結婚相談の店へ行った。


しかし、早々とリタイアした。


リタイアしてから8ヶ月後のことであった。


ぼくが勤めている部署の課長さんが、新年度になったので新しい人に変わった。


この日の夕方頃であった。


新しい課長さんが『君は一人身かな?よろしかったら、晩めしをうちで食べてゆきなさい。』とぼくに声をかけた。


ぼくは、課長さんのお言葉に甘えて晩ごはんに呼ばれた。


新しい課長さんの家の玄関にて…


「かあさん、帰ったよ。」

「はーい。」


奥の居間から課長さんの奥さんがやって来た。


「お帰りなさい。」


課長さんの奥さんは、黒いビキニの水着を着ていた。


「あわわわわ…かあさん、恥ずかしいから服を着なさい。」


課長さんは恥ずかしがった。


奧さんは『あーらいいじゃないのよ。』と笑った。


課長さんの奥さまは55歳です。


課長さんは『お客さんの前では、服を着てほしい…』と言うたが、奥さまはそんなことはお構いなしであった。


課長さんの奥さんは『週刊ポスト(週刊誌)でオーバー40のビキニ美人のグラビアを見たので、アタシもおうちでビキニを着ているのよ。』と言うた。


ぼくは、課長さんの奥さまが言うた言葉が気になった。


帰り道にコンビニに寄ったぼくは、課長さんの奥さんが言うた週刊誌を探した。


あったあった…


週刊ポスト…


これだな…


パラパラパラ…


あっ、あった。


これだ。


オーバー40のビキニ美人のグラビアをみつけた。


その中で、黒ビキニ姿の朝倉匠子さん(日テレ系で昔放送されていた『11PM』の愛川欽也さんがMCを務めていた時のアシスタント)を見た。


この時ぼくは『オーバー40の年上女性を結婚相手にしよう…』と決めた。


そして、5月の最後の週末のことであった。


場所は、松山市三番町の中央郵便局の前にあるテナントビルの前にて…


この時、ぼくは結婚相談の店の女性と会った。


「たみおさん。」

「今村さん。」

「お元気でした?」

「おかげさまで。」

「ちょうどよかったわ…一緒にお茶しませんか?」


この後、ぼくと今村さんは大街道のいよてつ会館の一階にあるスタバへ行った。


ところ変わって、スタバの店内にて…


ぼくと今村さんは、一緒にコーヒーをのみながらお話をした。


今村さんは、三番町のテナントビルの中にある結婚相談の店が近く閉鎖されることをぼくに伝えた。


ぼくは、さびしげな声で答えた。


「閉店…ですか。」

「ええ。」

「どうなるのですか?」

「広島店に統合される予定でございます。」

「それはおさみしいことでございます。今村さんと親しくなれて、これからだと言うときに…今村さんはどうなされるのですか?」

「退職しますわ。」

「そうですか。」


このあと、ぼくは今村さんから店の女性会員さんのプロフィールをみますかと言われた。


「うちの店の女性会員さんのプロフィール、見ますか?」


えっ…


会員じゃないのに…


今村さんは、私にふさわしいタイプの女性を言うた。


「たみおさんにふさわしいお相手は、年上の女性がいいわね。」


今村さんは、ぼくに女性会員さんのプロフィールを差し出した。


これが、かあさん・友泉(ゆうみ)と出会うきっかけであった。


「名前は、友泉(ゆうみ)さん、52歳(出会った当時の年齢)でまだ独身よ。」

「ぼくの母親と同い年だ。」

「とても優しい女性(ひと)よ…次の週末にセッティングするけど、いかがですか?」

「次の週末。」

「その日は、いまこく(今治国際ホテル)のブライダルフェアに行く予定なのよ。」


ぼくは『よろしくお願いします。』と返事したあと、早速お見合いのセッティングを申し出た。


そして、お見合いの日がやって来た。


ぼくは、いまこく(今治国際ホテル)の一階のエントランスのカフェテリアで今村さんとお会いした。


エントランスのカフェテリアにて…


今村さんとぼくは、お茶をのみながらお見合いの相手の人が来る時を待っている。


「おそいわね。」


ぼくと今村さんは、ひどくソワソワしていた。


一体、どうしたのか…


まさか…


お見合いがイヤになったのか?


その時であった。


エントランスホールで、60前の夫婦がせかしている声が聞こえた。


「友泉(ゆうみ)!!早くしなさい!!」

「あなた、そんなに急かさないでよ。」


このあと、ぼくは一生涯のパートナー・友泉(ゆうみ)と出会った。


「おそくなってすみませんでした。」


お見合い相手のお兄さん夫婦は、もうしわけない声で今村さんにあやまった。


「無事に着いてよかったわ。それでは早速お見合いを始めましょう。」


このあと、今村さんはぼくに友泉を紹介した。


「たみおさん、紹介します…友泉(ゆうみ)さんです。」


今村さんからの紹介で、ぼくはかあさんと出会った。


かあさんは、白のワンピース姿でぼくの前に立った。


かあさん(友泉)は、52歳(出会った時の年齢)で、乳房(むね)が大きくて、優しい女性(ひと)です。


この時、ぼくは小さい時の母の姿を思い出した。


かあさん…


ぼくはこの時、想いが強くなった。


紹介からわずか1分後…


かあさんは、お兄さん夫婦にぼくと結婚すると言うた。


「兄さん、義姉(ねえ)さん…アタシ…決めたわ。」


かあさんは、即決で結婚することを今村さんに伝えた。


「友泉(ゆうみ)。」


かあさんの言葉を聞いたお兄さま夫婦は、ものすごくコンワクした。


しかし、かあさんは信念を曲げなかった。


「アタシ、たみおさんと入籍する…明日、市役所に婚姻届を出しに行くわ!!」

「いや、しかしだな。」


かあさんのお兄さま夫婦は、ますますコンワクした。


今村さんはぼくに『たみおさんは、どうなされますか?』とたずねた。


ぼくは、お受けすると答えた。


「お受けいたします。友泉(ゆうみ)さんと結婚します。」


お見合いは、出会って3分で成立した。


かあさんは、ぼくの家の籍に入籍する旨を今村さんに伝えた。


「明日、市役所に婚姻届を出して、たみおさんと一緒に暮らします。」


今村さんは、なにも言わなかった。


かあさんのお兄さま夫婦は、交際0日でぼくと結婚を決めたことをひどく心配した。


次の日、ぼくとかあさんは市役所に婚姻届を出した。


かあさんは、ぼくの家に入籍した。


ここから、ふたりの恋が始まった。


かあさんとぼくの最初のデートは、伊予市ヘ行った。


特急バスと伊予鉄電車を乗り継いで郡中港駅まで行った後、伊予市駅からJR予讃線の海回りルート(愛ある伊予灘線)の列車に乗り換えて双海(ふたみ)へ向かった。


ところ変わって、恋人たちの聖地でおなじみのシーサイド双海(海浜公園)にて…


かあさんとぼくは、ベンチに座って海をながめていた。


(ザザーン、ザザーン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…)


おだやかな波の音にまざって、ぼくの胸の鼓動が激しく高鳴った。


ぼくは、かあさんのぽってりとしたくちびると白のブラウスの間からみえている黒のフィットネスブラごしにふくらんでいるふくよかな乳房を見つめた。


かあさんは、黒のフィットネスブラの上から白のブラウスを着て、下はネイビーの女の子ジーンズをはいている。


あの時のカノジョは、白のキャミソールの上から黄色のブラウスをはおって、下はフリフリのスカートを着ていた。


カノジョは、ぼくに『変なこと考えないでよ!!』と怒鳴ったあと帰った。


なので、あんまりへんなことしない方がいいと思った。


「たっくん。」


かあさんは、ぼくを呼んだ。


「かあさん。」

「今日は、風が心地いいわね…」


おだやかな波の音とそよ風の心地よさが、二人を包んでいる。


「かあさん。」


(ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン…ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン)


ぼくの胸の鼓動がさらに高まった。


同時に、ぼくの戸惑いがさらに高まった。


その時であった。


かあさんは、ぼくの前で白のブラウスのボタンを外した。


ブラウスの間から、黒のフィットネスブラがあらわになった…


抑えきれなくなったぼくは、かあさんを倒した。


「かあさん…かあさん…」

「キャッ…」


かあさんを倒したぼくは、かあさんが着ていたブラウスを脱がした。


「あっ…たっくん…ああ…」


(プチッ…ジーッ…)


つづいて、女の子ジーンズのボタンを外してファスナーを下げた。


「ああ…」


そして、ジーンズを脱がして足元から抜いた。


ジーンズの中から、黒のハイライズレギンスがあらわになった。


ぼくは、フィットネスブラ・レギンスの上からかあさんのふくよかな乳房に甘えた。


「ああ…たっくん…たっくん…」


かあさんの身体をむさぼったぼくは、ぽってりとしたくちびるにキスをした。


かあさんとぼくのファーストキスは…


ちょっぴり甘いシトラスレモンの味だった…


「かあさん。」


かあさんにキスをしたあとも、再びフィットネスブラとレギンスの上からかあさんの身体をむさぼりまくった。


シーンは、今現在にもどる…


大西の藤山公園にて…


ベンチに座ってぼんやりとしていたぼくは、時計を見てびっくりした。


「あっ、いけない!!」


今、12時50分だ…


大変だ…


急がないと…


ぼくは、次の得意先へ急いで向かった。

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