傷病
強敵である
そしてそれは、<外敵に襲われる>的な危険ばかりとは限らない。
移動中なら放っておくところだったが、この時は群れ全体で休んでいたところだったこともあり、仲間が集まってくる。ジャックも心配そうに「ルルル」と喉を鳴らしながら見ていた。
だが、残念ながらできることは何もない。一頭が揺り起こそうと手で体を揺するが、ビクッビクッと痙攣するばかりで起き上がる気配はない。そもそも意識もなさそうだ。
<脳出血>だった。実は倒れた一頭は、
けれど、
動かしたことでさらに出血が進み、脳の機能が損なわれていく。
こうして、倒れてからわずか十分ほどで、その
人間の場合、適切な形で救急対応が行われれば助かる確率もある事例だった。だが、
これもまた、<すぐ傍にある死の形>と言えるだろう。
こうしてわずか二日の間に三頭の仲間が死んだ。それでも、
加えて、
生きていればだが。
そして
<死そのものが日常の一部>
と言ってもいいのかもしれない。
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