ひまわり畑で見た妹の笑顔を絶対忘れない。

にゃこ

0章 ひまわり畑

「わー! れん兄ちゃん凄いー! あたり一面ひまわり畑だよ!」


「あ、おい! 彩華待てって! 迷子になるだろ!?」


光輝く真夏の太陽と雲一つも見当たらない空。今日は絶好日和だった。


僕はそんな暑い夏休みの中、妹の彩華が行きたいところがあると言われ連れてこられてきたが、まだどこにいこうとしているのか分からない。


「ほらほられん兄ちゃんー! 置いてくよー? はやくはやくー!」


「はしゃぎすぎだ!!だから待てって!」


僕は走るペースをあげて、彩華の元に駆けていく。


「……はあ、はあ。 ったくやっと追いついたぞ」


「もう、遅いよれん兄ちゃん!ねえねえ、前見てみてよ!!」


「う、うるせえな……え、前見ろって……」


僕が前を振り向いた先にはひまわり畑が広がっていた。


「あのね、れん兄ちゃんにこの場所をずっと見せたかったんだ。」


「……そうだったのか。こんな田舎なとこにこんな場所があったとはなあ」


「……うん。ねえ、れん兄ちゃん」


「ん?」


「またさ、10年後さお互いに20代になったらまたここ行こうよ」


「……ああ、いいぞ。忘れてなかったらな」


「むう、忘れてなかったらなじゃないでしょ? これは約束だからね。破ったらほんとに指切るから!」


「怖いよ!? でも、ああこんなに言われちまったら忘れねえよ」


「最初からそう言えば良いのに……いい?約束だからね?」


そう言って彩華は小指を突き出してくる。


「ああ……約束だ」


僕も小指を突き出して、彩華と指切りげんまんをする。


「うん!!!」


突如、風が吹いた。空にひまわりの花びらが花吹雪を起こす。


その瞬間に見た。彩華の笑顔は

















誰よりも可愛かった。

















そして、妹は失踪した。













(第一部に続く)

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