詩「まどろみの」
有原野分
まどろみの
砂浜を歩く
ただ歩く
歩くだけで
すれ違う
人もおらず
足を動かす
そのときに
気付くことが
多々ある
気がする
足を上げて
降り下ろす
地面を踏んだ
足の裏の間隔
地面から離れた
足の裏の間隔
のように
間隔を観察する
その感覚は
痛みのない
麻酔のような
夜
遥か昔の
遺跡のような
布団に抱えられ
その上から
明日の空気で
圧をかけられる
瞼
それは任意の目隠しだ
目の前に平坦な
墨で塗り殴った
空の蓋が見え
点と点
頭から顔に向かって
鼻の先を掠めて
吹き抜ける感覚
それは地球が回った
その時々の
その風だ
詩「まどろみの」 有原野分 @yujiarihara
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