コラム プロレスごっこ問題

 いじめが発覚して、教師が加害者を問い詰めると、必ずこう言う。


『ふざけてただけです。いじめではありません』


 暴力行為に対してはこうだ。


『プロレスごっこしてただけです。いじめではありません』


 成程、プロレスごっこなら仕方ない。被害者も黙々と同意している。こう言われると、教師も沈黙するしかない。

 しかし、暴行とプロレスごっこの境界線はどこにあるのか、何故殴打はダメでコブラツイストはオーケーなのか、明確な基準はどこにも存在しない。


 これには、簡単な解決法がある。

 校則に一行追加すればいいのだ。


『プロレスごっこ及びそれに類する行為は禁じる』


「過去にプロレスごっこによって死者が出ており、遊びとは言え大変に危険な行為です。よってこれを全面的に禁止します」

 これで万事解決だ。


(実際に死者が出ているかどうかは知らん)


 類する行為とは何か。それは教師が判断する。君が判断することではない。

 教師が校則違反だと判断すれば、処分の対象となる。せいぜい注意しよう。


 加害者の応答にはパターンがある。

 加害者を問い詰める前に、想定問答集くらいは用意しておくべきであろう。

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