第二章 調査は人道問題で最優先

 いじめは人道問題であり、最優先での対処が求められる。

 授業や部活、その他全ての校内活動に対して優先権が与えられている。


 チームはミーティングにより、聴取の方針を決定する。

 児童心理学、精神医学、教育学、少年法、社会学などなど、あらゆる観点から、彼らの心理的傾向およびパーソナリティ、動機、人間関係、家庭環境、住環境などについて分析を行い、カードを揃える。切り札が多い方が有利なことは言うまでもない。


(弱点を探すとも言う)


 聴取の対象と範囲を決める。

 被害者のクラスメートは、ほぼ全員対象となるであろう。

 加害者および加害者に近しい人物、目撃証人などなど、対象を絞り込む。

 聴取の順番を決める。


(いきなり加害者を聴取するバカはいないよね)


 生徒に対する聴取は、原則的に授業中に行われる。

 真面目な生徒にとっては迷惑な話かもしれない。だからといって被害者に対する中傷やプレッシャーは厳に慎むべきである。無関係の生徒に対しても、フォローが求められる。

 何故、このような対応が必要なのか。それは、いじめは人道問題であり、人命がかかっているからだ。


(嫌なら早く終わらせようね)


 初日の朝には、職員室で挨拶をして、聴取の概要を説明し、協力を求める。

 また被害者のクラスで概要を説明する。

 毎朝、該当するクラスにて、調査官が聴取の順番を告げることになる。

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