第六章 対処チームの派遣

 被害者や学校からの要請やホットラインでの相談を通じて、いじめ事案が認知され、要件を満たしている場合に、介入の是非が検討される。介入が必要であると判断されると、都道府県知事の命令により、対処チームが学校に赴いて、いじめ事案の詳細を調査し、解決を図ることになる。

 彼らは、学校長より上位の権限を有し、学校及び教職員に対して、調査に必要な指示、命令を行うことが出来る。

 学校からの要請如何にかかわらず、学校側はチームを受け入れ、調査に最大限の協力をする義務がある。妨害や協力拒否は処分の対象となる。


 対処チームは、校内において、生徒及び教職員への聴取を行う。必要に応じて校外での調査及び聴取も行う。

 いじめの事実関係を確認し、然るべき基準に則り、いじめの事実を正式に認定する。

 加害者には、処分が下される。


 停学、退学、放校など、校内ルールによるペナルティが課される。

 いじめの経緯および事実関係の、内申書への記載が命令される。教師の一存で不記載とすることは出来ない。処分の対象となる。

 また事態の重大さ如何により、警察への通報も検討される。

 その他、必要な措置が検討され、児童相談所、医療機関やその他機関とも連携して、対処が行われる。


 但し、加害者がいじめの事実を認め、謝罪し、誓約書にサインをした場合には、処分は『留保』される。

 介入終了後も、経過観察が行われる。

 被害者、加害者双方に、カウンセリングなどのアフターケアが行われる。


 いじめ対応の困難は、その存在のグレーさにある。

 教師は犯罪行為に対処出来ないし、警察にとって教育問題は管轄外である。

 おまけに現在の学校は、超絶ブラック化しており、いじめ対応に割く時間はない。

 そこで、そのどちらにも属さず、学校と警察の狭間で、その双方に対処出来るプロフェッショナルが必要なのである。

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