無能

あなたは私にたくさんの言葉を残して消えた。そう、消えたと表現するにはぴったりすぎるくらいに、美しく、心に穴を開けるように。

あなたは言った、もうこれはぼくのものではなくなった、と。そう、きみのものになったのだ、と。

私はこれからどう生きていけばいい?あなたにもらったたくさんの文字や文章が私の頭の8割ほどを占めているのに。あなたは。あなたはいない。この世界から消えてしまった。

私は泣きじゃくった。あふれる涙が頬をつたうたび、あなたが大好きだと言った服を燃やす映像が浮かんでは消えまた浮かぶ。

あなたはどこにいるの?天国?地獄?それともあなたは教会にいる?いまでも牧師に跪いている?

あなたの残したたくさんのもの。逆さまにして見てみる。

あなたのお気に入りの服のポケットからでてきたチェリーボンボン。

焼失したバーカウンターで飲んだシャンディーガフの味。シュガーレイズドの穴のむこう。

あなたの瞳。あなたは私にとって神さまだったのかもしれない。

あなたに逢うことはもう二度とないのでしょう。あなたが神さまだったのなら。

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