第20話 どっかに良い案を落っこちてないかな?
熱に浮かされてる訳でもなければトイレで力んでるってことでも無い。 例の件で良い案が全く浮かばないからである。
僕を置き去りにしてのお三人さんディナーの夜から、
ご飯のおかずの好き嫌いでごねる案、
母さんを恋しがって夜に泣く案、
毎晩スマホに電話が掛かってくるし、元来
二人が喧嘩とかして仲良くしないで泣かしちゃう案、
これに見て、
(あのさ、僕だって同盟の一員として悩んでるんだよ? 少しは一緒になって考えてあげてもいいんじゃないの? ほらこうやって作戦を書き込む自由帳の上に乗っかって温めたりさ。えっ、邪魔だからどいてって? そう? なら退かないコトもないけど……次は
「嗚呼もうムリー。オレもう作戦思い付かない。どうしよう」
「それよりね。このお家のテレビはポンピー見れないの? 恵梨の家のは毎週やってたよ?」
「それってアニメだよね? チャンネル設定で民間局は映らなくしてあるし、父さんはニュースしか観ないから」
「〇チャンだよ。火曜日の5時からするの」
「それは民間局だからダメだな」
「ええ〜見れないのぉ〜」
「……ポンピー絶対に見たいよね」
「見たい見たい!」
「見せないならトーサンは意地悪ってことになるな」
「オジサンの意地悪?」
「そう、その作戦でいこう!」
「どんなことするの?」
「ポンピー見れないと泣いちゃうゾ作戦! つまりね……」
作戦会議が始まった。 今度こそ上手くいくといいんだけどね。
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