エヴァに届かない手紙

エヴァ

私が知ってるエヴァ

私を知らないエヴァ

私は手紙を書いている

エヴァ宛てに記す

便箋を 封筒を ボールペンを買って

フォルクスワーゲンのなかで

手紙を書いている

街灯が水晶のように輝く夜

ああ 十八のエヴァ

もしくは 八十八のエヴァ

どうして君は七十年もの間

エヴァだったのだ

そして再び

十八のエヴァになろうとするのだ

同志のためだけに

この手紙はどうせ届かない

しかし書かないわけにはいかない

私を知らないエヴァ

私が知らなかったエヴァ

知りたくなかったエヴァ

私が知っていたとばかり

思っていたエヴァ

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