第4話 SP振り分け

 入学式初日の授業は午前中に終わり、妹の真白を待つために学園の校門前でスマホを片手に待っていると、妹が駆け足で近寄ってきた。


「お兄ちゃん、待たせてごめんね」


 真白は最初に謝罪の言葉を口にした。


「いいや、大丈夫だよ。それよりも帰ろうか」

「うん!帰ろ帰ろ!」


 真白と一緒に帰っていると、周りの生徒の視線が俺たち、正確には真白に多くの視線が集まる。

 まぁ、それも当然だろう。なんたって真白の容姿は兄の俺から見ても見惚れるほどの美少女なのだから。

 一応俺も視線を感じるが、それは大半が嫉妬と羨望の眼差しが多くで、少しだが、殺意の視線も混ざっている。

 まぁ、真白と一緒に帰っているとなれたんだがな。

 俺は敵意の視線を浴びながら、真白と一緒に帰った。


 家に着き、真白が昼食の準備をしている最中に俺は溜まっているSPの振り分けをすることにした。

 そして、今のステータスはこんな感じだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時崎 空 15歳 男 レベル:10

SP:20 BP:0

体力:20/20 魔力:25/25

攻撃:27

耐久:19

速度:30

知性:29

精神:24

幸運:25

〈固有スキル〉

【死神】【死に戻り】【剣聖】

〈スキル〉

【剣術レベルMAX】【身体強化レベルMAX】UP

【恐怖耐性レベルMAX】NEW

〈称号〉

【回帰者】【死を恐れぬ者】NEW

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


死を恐れぬ者:死を克服した者に与えられる称号。スキル【恐怖耐性レベルMAX】獲得


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 スキルにはレベルがあり、レベル10がMAXだ。レベルを上げる手段は地道に上げるか、SPを使いレベルを上げるかだ。

 しかし、俺の固有スキル【死神】は死んだら自分のスキルまで獲得できてしまうことから皆よりお得にスキルレベルを上げる手段があるということだ。

 ただし【死神】は使う時に死ぬ必要があり、【死に戻り】が必要不可欠だ。

 たがそれには弱点があり、死んだら過去に戻ってしまうのだ。スキルレベルを上げるたびに死に戻りしていたら過去に戻り過ぎてしまうのだ。スキルレベルを上げる為に過去に戻り続けて赤ちゃんになっちゃいましたじゃ笑えない。

 なので、スキルは自分であげるかSPを使うしかないのだが、俺のステータスは、能力値は低いもののスキルが強いからハンターランクで言うとCランク位の実力はあるはずだ。

 けれど、スキルの数が圧倒的に足りない。

 だから俺はSPを使いスキル習得するしかない。

 

 今、SP20あるから、四つは取得出来るが、なにか会った時のためちょっとは残しておきたい。

 身体強化は【死神】のおかげで、スキルレベルMaxだが、逆に言えば他のスキルを持っていなかったから身体強化しか上がってないとも言える。

 過去に早く戻ることしか考えてなくて、めちゃくちゃ損した気分だ。


 なので俺はSPで新しいスキルを三つ習得しようと思う。

 習得するスキルは【火魔法】と【鑑定】と【収納】だ。

 スキル一覧を勢いよくスクロールし、目当てのスキルを見つけた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【火魔法レベル1】(必要SP:3)


【鑑定レベル1】(必要SP:5)


【収納レベル1】(必要SP:5)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 火魔法は、火の魔法を使えるようになるスキルだ。


 鑑定は、使用すれば魔物のステータスや迷宮資源の情報を確認できるようになるため、ダンジョン攻略においてかなり有用なスキルである。

 パーティのうち誰か一人は保有しておくべきスキルだと言われており、ソロ攻略が基本な俺にとっては必須のスキルだ。

 

 もう一つ、ソロ冒険者に必須のスキルがある。

 それが収納だ。

 武器や道具、魔物の素材などを異空間に保管することができるスキルであり、これによって不測の事態に備えることも、これまで手に持つ余裕がないため諦めてきた迷宮資源を回収することもできるようになる。


 SPが結構残っているが、ダンジョン攻略の時に必要に応じて獲得すれば良いだろう。


「明日は学園が終わったら、初心者ダンジョンにも潜ってスキルを使ってみるか」


 SPを振り終えると、丁度よく真白の声が下から聞こえてきた。


「お兄ちゃーん、ご飯できたよー」

「わかったー」


 一階に向かうと美味しそうな、オムライスができており、ケチャップでハートマークが書かれていた。


 ◇ ◇ ◇


 朝、遅刻ギリギリに教室に着き、席に座ると丁度良く担任の水原先生が教室に入ってきた。水原先生が挨拶をし、教壇に立つと今日の予定を話し始めた。


「おはようみんな、今日の予定はみんなの実力を見るために模擬戦にしようと思っているわ。そして、今日は午前授業だからもう行くわよ」

「「「「はい!」」」」


 どうやらみんな、模擬戦が楽しみなようだ。

 まあ、俺も剣聖の効果を確かめるのに丁度良いと思っていたから楽しみだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時崎 空 15歳 男 レベル:10

SP:5 BP:0

体力:20/20 魔力:25/25

攻撃:27

耐久:19

速度:30

知性:29

精神:24

幸運:25

〈固有スキル〉

【死神】【死に戻り】【剣聖】

〈スキル〉

【剣術レベルMAX】【身体強化レベルMAX】

【恐怖耐性レベルMAX】【火魔法レベル1】NEW【鑑定レベル1】NEW【収納レベル1】NEW

〈称号〉

【回帰者】【死を恐れぬ者】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る