第2話 死に戻り
『対象の死亡が確認されました。剣島光の固有スキル【剣聖】を獲得しました』
俺は自分の部屋で目を覚ました。目覚まし時計で日にちを確認してみると5月10日になっていた。死んだ日にちは5月17日だったので、7日戻っている事になる。死に戻りが何日過去に戻れるか試さないといけないな。もしも、過去に戻るのがランダムならば、最低がどのくらいで、最高がどのくらいなのかも把握しないといけない。
剣聖に回し蹴りを食らった傷を確認するとそこには傷一つない体になっていた。
(……俺は戻ったのか?ステータスを確認してみよう)
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時崎 空 20歳 男 レベル:10
SP:20 BP:0
体力:20/20 魔力:25/25
攻撃:27
耐久:19
速度:30
知性:29
精神:24
幸運:25
〈固有スキル〉
【死神】【死に戻り】【剣聖】NEW
〈スキル〉
【剣術レベルMAX】7UP【身体強化レベル2】
〈称号〉
【回帰者】NEW
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固有スキル【剣聖】
剣聖:剣術スキルのレベルがMAXになる
絶対切断:全てのものを斬ることが出来る
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「おお!固有スキル【剣聖】が増えてる!しかも、絶対切断!めちゃくちゃ強そうじゃん!しかも【剣術】のスキルは【剣聖】のおかげでレベルMAXになったしな!」
よし!取り敢えず死に戻りをすると相手の一番強いスキルを獲得するという確認はできたな。
しかし、称号が増えたな。【回帰者】か。確認してみるか。
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称号【回帰者】
過去へと戻った者へ与えられる称号。効果はなし。
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次は家族が魔物に殺される前に戻ろう。
そして家族が死んだのは高校一年の五月下旬だ。
「今から四年前の青院高校入学式前日に戻り家族をモンスターから助けよう!今日は2025年5月10日、そして入学式当日は2021年4月16日に戻るため何回も死に戻りしなければならない。要するに何回も死ぬということだ」
俺はすぐに行動を開始した。台所に向かい、包丁を取り出し、取り出した包丁を逆手に持ち首に構えた。震えている右手を左手で支え、勢いよく首に刺した。
その瞬間脳内に声が響いた。
『対象の死亡が確認されました。スキル【身体強化Lv2】を獲得します』
◇ ◇ ◇
目を覚まし時計を確認すると、5月5日になっていた。
俺は死んだ時に聞こえたあの言葉はもしかして自分を自分でも発動するのではないか。その疑問が浮かんだ。
そして、ステータスを見てみると、
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時崎 空 20歳 男 レベル:10
SP:20 BP:0
体力:20/20 魔力:25/25
攻撃:27
耐久:19
速度:30
知性:29
精神:24
幸運:25
〈固有スキル〉
【死神】【死に戻り】【剣聖】
〈スキル〉
【剣術レベルMAX】【身体強化レベル3】1UP
〈称号〉
【回帰者】
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ステータスを見て俺は確信した。スキル【死神】は自分にも作用することがわかった。
それから俺は地獄の日々を過ごした。
何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!何度も!
三年、過去に戻ると景色が変わり、ボロいアパートから前に家族と住んでいた部屋に戻った。家族が死んでから
家が戻ってきて、涙が出そうになるが今は過去に戻ることが優先だ。
そして、何度も死に戻りを繰り返した俺はついに青院高校入学式当日2021年4月16日に戻ってきた。その瞬間頭に声が響いた。
『死を克服しました。称号【回帰者】を与えられます』
◇ ◇ ◇
目を覚ますとようやく地獄の日々から解放されると思って、物思いに耽っていると勢いよく扉が開かれ、妹の元気な声が聞こえた。
名前は時崎ときさき真白ましろといい今年で青院中学三年生になる超絶美少女で学園で何回も告白され、男女問わず絶大な人気を誇る。腰まで届く長く艶つややかな銀髪、少し垂れ気味の大きな瞳はひどく優しげだ。スッと通った鼻梁に小ぶりの鼻、そして薄い桜色の唇が完璧な配置で並んでいる。
いつも微笑の絶えない彼女は、非常に面倒見がよく責任感も強いため学年を問わずよく頼られる。それを嫌な顔一つせず真摯に受け止めるのだから中学生とは思えない懐の深さだ。
「お兄ちゃん!起きて!入学式に遅刻しちゃうよ!」
妹の元気な声が聞くと、俺は目から涙が流れていくのを感じた。
「ちょっ、ちょっと!お兄ちゃんどうしたの!?」
「よかった!よかった!真白が無事で!」
安心した俺は真白の胸の中で子供のように泣き続けた。
真白は一瞬ポカーンとした顔になるが、次の瞬間には子供をあやす母親の顔になっていた。
「大丈夫、大丈夫だよ。お兄ちゃん」
真白は俺が泣き止むまで、ずっと頭を撫でながら言葉を繰り返した。
◇ ◇ ◇
「あ〜!頼む!誰にも言わないでくれ!お願いします!」
今、俺は全力で真白に今の出来事を誰にも言わないようにお願いしていた。
お願いを聞いた真白は悪い笑みを浮かべていた。
「ええ〜!どうしよっかな〜!」
「くっ!どうすれば黙っていてくれる?」
「お兄ちゃん!私今日は最近駅前に出来たジャンボパフェ食べたいな〜って!」
「わ、分かった。奢ろう」
「ふふっ!分かった!黙っていてあげる!」
「そうか!ありがとう!」
「どういたしまして!でもそろそろ学園に行かないと遅刻しちゃうよ?」
「えっ?っっ!?ヤバいすぐ行くよ!」
目覚まし時計を見てみると、時刻は八時を指していた。
急いで新しい制服に袖を通し、朝ご飯を真白と一緒に食べ、そのまま一緒に家を出た。
俺たちの両親は仕事が忙しく、夜しか会う時間がないのだ。だからと言って俺たち兄弟を蔑ろにしている訳ではない。時間が会う時は一緒にご飯も食べるし会話もする。
◇ ◇ ◇
学園に近づくと周りに他の生徒やその親御さんたちが見えてきた。
まぁ、それも当然だろう。今日は俺たち新一年生の入学式なのだから。
この青院学園は普通科、ダンジョン科の二つのコースがあり、Aクラス~Eクラスまである。戦闘能力が高い人と珍しい固有スキルを持っている人がAクラスに分けられる。俺は珍しい固有スキルを持っていたのでAクラスに分けられた。俺はダンジョン科に入学した訳だが、この学園はダンジョンに潜りに行くなら学園を休めるのだ。
前回通っていた時もダンジョン科のAクラスだったのだが、戦闘スキルが特にないと言う理由と戦闘が全く出来ないという理由で成績は最低のFランクの落ちこぼれだったのだ。
だが、今回は五年の経験と技術、そして【剣術】スキルがあるから最低評価にはならないだろう。
「それじゃあ、お兄ちゃん私はあっちだから」
「おう、またな」
「うん。またね」
真白と別れた俺は知っている女性を見つけたので、声をかけた。
彼女の名前は水原みずはら玲奈れなといい数少ないSランクハンターの一人で、二つ名は【
水原先生には、落ちこぼれだった俺を最後まで面倒を見てくれた優しい先生だ。
もちろん相手はこっちのことを覚えていないだろうから初対面をふりをしてだ。
「あの、お姉さん、入学会場は体育館であっていますか?」
「はい。あってますよ。あなたはダンジョン科の入学生ですか?」
「はい、そうです。よく分かりましたね」
「はい。あなたの魔力は一般人にしては大きいのですからね」
「あなたは魔力が見えるんですか?」
「はい。私これでも教師ですからね」
「へ〜、お姉さんは教師なんですか。すごいですね」
もちろん、教師だと言うことは知っているが、知っていると不自然なので、初めて聞いた風を装う。
「ありがとう。あっ!そう言えば自己紹介まだだったわね。私の名前は水原玲奈よ。水原先生か玲奈先生って呼んでちょうだい」
「わかりました。では、水原先生これからよろしくお願いします」
「ええ、あら、もうそろそろ時間ね。この校章をつけて行きなさい。校章の説明はいる?」
水原先生から貰ったのは校章だ。
この校章は学生のランクを表すためのものであり、ランクが上がるごとに色々なサービスがつく。
校章は鉄、銅、銀、金、ミスリル、アダマンタイトの六つありサービスはまとめるとこんな感じだ。
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【鉄】
学園が管理しているFランクダンジョンに入ることができる。
【銅】
学園が管理しているEランクダンジョンに入ることができる。
【銀】
学園が管理しているDランクダンジョンに入ることができる。
図書館の下級閲覧権限を与えられる。
【金】
学園が管理しているCランクダンジョンに入ることができる。
図書館の中級閲覧権限を与えられる。
【ミスリル】
学園が管理しているBランクダンジョンに入ることができる。
図書館の上級閲覧権限を与えられる。
学校の学食を全品半額で食べることができる。
【アダマンタイト】
学園が管理している全てのダンジョンに自由に入ることができる。
卒業時にハンターランクがAより下の時ハンターランクAに昇級する。
授業の免除。
図書館の全ての権限を与えられる。
学園の学食を全品無料で食べることができる。
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「いえ、大丈夫です。把握していますから。それでは、失礼します」
俺は前回通った時は【銅】だったが、今回は【アダマンタイト】を目指し、最強になって大切な人を守り抜く!
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