『電脳部隊』×『半ゾンビ』≒『暗黒狂団』

川沢 樟

序章 2055年

 2055年、人類はついに、『死』という概念を無くした。

 

 なぜ、無くなったのか。それは、肉体が限界を迎えると、脳内に埋め込まれたマイクロチップがそれを感知し、自動的に電脳世界へに送り込むからだ。


 電脳世界というのは、昔でいうところの天国を人間の手で現実化したもののことだ。


 マイクロチップは幼少期の頃に埋め込まれる。それぞれに個人ナンバーという、戸籍の次に大切なものが入ってるため、断ることができない。


 ここまで聞いたそこの君、これで人間は不死身になったと思ったところだろう。しかしそれは違う。電脳世界で意識が消滅、否、殺されてしまえばそれきりだ。


 なお、この消滅について知っている者は、ほんの少ししかいない。君もその仲間入りだ。

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