全職業スキルで異世界統一

しゃけ大根

第1話 突然の死

「う、うぅ…」


気がついた時、自分は生暖かい水の中にいた。


「俺、どうして…」


自分でも何があって、どうなったのが分からない。

俺はこの水の中をただひたすらに沈んでいくだけだった。


「俺、どうなるのかな。」


自分がこの先どうなるかさえ、考えることができなかった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――◆◆◆


外でスズメが鳴いて朝を知らせてくれている。


「あ、あれ?なんでスズメ?」


目が覚めたそこは生暖かい水の底ではなく、少し豪華なベッドの上だった。


「俺、確か水の中で…」


なぜだか、記憶が曖昧で、何も分からない。

体は不自由なくしっかりと動く、自分の体には異常はない。

「よしっ!」


ベッドから思い切り起きると、なんだか視線がやけに低かった。


「あ、あれ?俺、縮んだ?」


よく分からないが、背が低くなっているようだ。


「鏡、あるかな?」


俺は見知らぬ部屋の中を歩き回り鏡を探した。


「こ、これかなぁ?」


一枚の布に覆われた物体があった。

めくるとやはり、鏡だった。

この身長だと、かなりキツイ。


「って、え!お、俺、よく分からん子供になってる?」


自分の容姿は高校3年である天宮桐也あまみきりやではなかった。

鏡で、自分の変わった容姿を見ていると、


「ガチャン」


と、ドアがあく音がした。


「あら、起きてらっしゃいましたか、エクロアーズ坊っちゃん。」

「ぼ、坊っちゃん?」

「えぇ、いつも坊っちゃんとお呼びしていますが?」

「あ、あぁ、そ、そうだったね、僕、寝ぼけてたみたい。」


どうやら自分は、エクロアーズって言う、まぁまぁ良いとこの坊っちゃんらしい。

(それにしても良くできた夢だと思うが、夢ではない現実なのだろうか。)


「エクロアーズ坊っちゃん、朝食が出来ていますからね。」


俺はメイドのような人に連れられ大きな大広間に連れて行かれた。


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