第32話 何かいっぱいあ・・る・・・?

 イノシシは、控えめに言ってサイコーでした!


 ちなみに焼いたイノシシ肉の鑑定結果がこれ。




 ======

 名称:イノシシ肉のステーキ

 説明:味付けは塩のみ。脂が溶け出し甘さと旨味が引き出された肉。


 状態:熱い

 ======




 勝った・・・。

 人の感性はこんな短い言葉で表せられる程、容易くは無いのだよ。

 ・・・フフッ・・・。



 久し振りの美味い食事に満足し、疲れもあってその日はすぐに寝てしまった。



 そして現在。

 今日は狩りも畑作業も無しとの事で一人で弓矢の練習・・・という名のスキル確認会。



 鑑定スキルを取得し、一番やってみたかった事を確認する。


 ・・・それは自分の鑑定。

 良く分かっていなっかった問題がいろいろ分るかもしれない。



 早速、自分を“鑑定”してみる。




 ======

 個体名:マサル

 種族:人族

 性別:男

 年齢:10歳

 職業:家事手伝い、狩人見習い、農夫見習い

 称号:異世界転生者、墓場まで持って行く者

 状態:正常


 取得スキル:視覚強化、聴覚強化、思考加速、並列処理、異世界言語理解、探査、腕力強化、脚力強化、鑑定

 ======




(できた!おおー、何かいっぱいあ・・る・・・?)



 まずは目に入ってきた取得スキルの一覧。判明していなかった“思考加速”と“並列処理”。


 間違いなくこの2つがスキル取得の“個数”と“条件”に関係していると思われた。



 自身の取得したタイミング的に、やはりある程度の経験は必要な様で、経験がゼロではさすがに取得出来ない様だが、逆に言えば少しでも経験さえ出来れば、後はこの2つのスキルが長年の経験の蓄積によって得られる筈の経験を、自身の経験を解読する事により、それを最短で最適化して効率良く自分の経験値として獲得しているのではないか、というのが俺の見解である。

 ・・・自分でもこんがらがるわ・・・



 つまり1つのスキルを得るためにはそれ相応の経験が必要で、その経験を積むには時間が掛かるという事だが、俺はその経験を積むという行為をスキルが肩代わりしてくれているので“早く”、“何個”も取得出来た、ということだと思う。・・・知らんけど・・・。




 あとはいい。種族も性別も年齢も、職業だって、まあまあ納得はできる。


 だがこの称号とは何か?いろいろ経験して取得するタイミングも幾つもあったはずだが、“異世界転生者”の次が“墓場まで持って行く者”って・・・。


 いや、これだけ見たら意味深な言葉だけど・・・。



 人の人生のオフィシャルな部分にまで入り込んでくるとは・・・。




 そんな大層な内容じゃ無かっただろ・・・。





 クソッ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る