第161話 俺の馬

『おぉぉぉ~ッ!完全にユビタスから解放されたみたいだぁぁぁぁぁッ!ご武人ッ!誠にありがとうございますッ!…もういいんですッ!もう戦う必要が無いんですよッ!なんで、そんな怖い顔で近づいて来るんですか?分かってますか?言葉が通じてない!?ドント、ファイトッ!ドント、ファイトッ!アーユーオーケー?ドゥーユライク、ラブ&ピースゥ?』


『………。』


ブレイブは、赤色のからくり武者の言葉に反応することなく、力強い足取りでからくり武者達にゆっくり近づく。


『い、いや~。おめぇさん、激強だなぁ~。も、もう、闇落ち?から元に戻してもらったから、俺達は戦わなくてもいいんだぜッ!これからは、仲良くしようなッ!なッ!なッ!なぁぁぁぁぁッ!お、おいッ!お前マジもんかぁぁぁぁぁ!?』


『…………。』


ブレイブの姿が一瞬揺らめいたかと思うと、残像になってかき消えた。


『…アオッ!…相手はやる気だぞッ!恩人を殺してしまうかもしれないが、”あれ”を使うしかないみたいだな…。』


『…そうだな…仕方ねぇ…。“あれ”をするしかねぇかッ!スゲェ疲れるし、反動がスゲェから嫌なんだよなぁ。まぁ…そんなこと言ってられねぇかッ!行くぞッ!アカッ!』


『おうッ!』


…からくり合体―風運雷騎―…


…ガシャン…ガシャン…ガシャン…ガシャン…ガシャン…ガシャン…ガシャンッ!


からくり武者達は、ロボットアニメのように合体し、馬型ロボットの姿に変身した。


『『どうだッ!降参するなら今のうちだぞッ!後で後悔するなよッ!こうなっちまったら、手加減できねぇからなッ!………って!……い、いつの間にぃぃぃぃぃぃッ!』』


…バシ…バシ……バシ…バシ…


ブレイブは、キラキラした目をしながら、騎馬型ロボの尻を叩いていた。


『ウム、ウムッ!良い尻の馬ダッ!ちょうド、強い馬が欲しかったところダッ!フム…。次は、肝心の強さだなッ!』


馬型ロボは、ブレイブから距離をとる。


『『なに言ってるかわかんねぇけど、ここで負けるとおめぇの馬になるって言いたいのかよッ!頭イカれてるぜッ!』』


ブレイブは、鋭い目つきに戻り、聖剣を構える。


『”仲良くしよう”と言ったではないか?まぁ、拳で語り合うのが手っ取り早いナッ!行くゾッ!俺の馬ッ!』


『『おめぇの馬じゃねぇぇぇぇぇッ!』』

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