第133話 閑話 金髪ヤンキー風女

…私は、東クニコ…


異世界の奴らに拉致された女子高生。


放課後に教室にいたら、突然、床が光りだし、気づいたら別世界に拉致されていた。


私達を召喚した異世界の現地人が偉そうに語り始めたので話を聞くと、世界平和のために力を貸してほしいみたいなことを言われた。


…こいつらが私達を拉致した犯人か…


…犯罪者がッ!なにが世界平和だッ!力を貸せって戦えってことか?高校生の子どもに?何を考えているんだ?…


ダメもとで帰りたいと訴えたが帰る方法はないらしく、一生ここで過ごすしかないと言われた。


…ははッ…


…てめぇらの勝手な都合で拉致しといて、戦争に行けだと、家にも帰さねぇだと…


…ざけんじゃねぇぞ…


拉致されたのは、私を含めて5人。


全員、教室にいた連中だ。


…最悪だ…


…ロクなヤツがいねぇ…


…拉致されて喜んでいるヤツさえいやがる…


その後、能力を調べられて、私には「切断」という能力を持っていることがわかった。


私は死に物狂いで、とにかく力の使い方を学ぶことに専念した。


召喚された人間は高いステータスとこの世界でも珍しいユニークスキルを持っているらしく、努力すればするほど強くなることができた。


…いつか、私を拉致した人間を殺すために強くならなければ…


…ついでに、拉致されたのに尻尾を振って、奴等の言いなりになっている腰抜けも殺す…


そんな決意を胸にこの糞みたいな世界で生活を続けていたある日、とある任務を請け負った。


簡単だと思っていた任務だったが、相手の実力も知らないまま情けなく敗北した。


そして、どんな因果か、今はスパイとして私を拉致した国に潜入している。


しかも、嫌いだった「切断」という能力を回収いただいたうえ、ステータス的にも精神的にも以前よりもはるかに強くしていただいていた。


…ラスト様と”魔の王”に従っていれば、最短の道で私を拉致した犯罪者どもを殺せる…


そんな確信があった。


ガリ勉の「箱庭」を、まるで空のティッシュボックスのように踏み潰した恐るべき”魔の王”…。


一瞬でも敵対した自分が愚かしい。


私は女だったため尊厳は守られたが、ラスト様から調教を受けた男達の姿を見たときの衝撃は忘れられない…。


…ちょっとだけ、羨ましかったけど…


とにかく、私は国を潰すため粉骨砕身あの魔の王のために働くつもりだ。


…それが私の目標にも繋がるから…

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