第128話 へぇーそうなんだ

「黒、暗黒空間はどうなってる?」


『妨害魔法で弱体化していただいたうえに、時空間の精霊魔纏で入口を粉々にしていただいたお陰で、問題なく例の空間ごと暗黒空間に取り込むことができました。空間ごと取り込むこんでしまえば、相手の能力ではどうすることもできないでしょう。今は、あの変態が例の空間をジワジワ侵食しているようですが、”お膳立てが済んでいるためイける”とのことです。』


(ラストに空間を支配されたら…アイツら本格的にお仕舞いだな…。あぁ、本当に御愁傷様。)



…2日後…



『魔王様、あの変態が例の空間と中の人間達の支配を完了したとのことです。人間達の処遇はいかがいたしましょうか?』


(人間達の支配って何…?)


「簡単に解けない支配をしたのであれば、フランツ帝国へスパイとして送り込めば良いんじゃないかな。」


『かしこまりました。それでは、調教をした後にスパイとして送り込みましょう。あの変態の試験としても役立つでしょう。』


(調教、試験って何…?)



…2ヶ月後…



『魔王様、例の者達の調教が完了しました。もうどこに出しても恥ずかしくないでしょう。』


(…深くは聞くまい。)


「じゃあ、予定通りにお願いね。」


『かしこまりました。あの者達も喜ぶでしょう。これからは、魔王様のために働けるのですから。最初はおそれ多くも自分のことを勇者などと名乗っていたため、道のりは遠いかと思いましたが、何とか正気を取り戻しておりますので、ご安心ください。あの変態も正気を取り戻してきておりますので、あと二千年程精進すれば、魔王様に謁見できるレベルに到達するかと。』


(…深くは聞くまい。)


「へぇー、そうなんだ…。」


『はい。偽勇者どもは魔王様にユニークスキルを献上するとも言っておりますので、後程連れて参ります。魔王様に謁見できることに、涙を流して喜ぶでしょう。』


(深くは聞くまい…。)


「へぇー、そうなんだ…。」


『はい。しばらくは、あの変態をスパイに同行させて、魔王様のしもべを増やす活動に従事させようとも考えています。”会えない時間が愛を育てるのよん♪”などと気持ち悪いことをほざいてますので、油断はできませんが大丈夫でしょう。』


(なにが大丈夫なの…?)

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