第96話 仲良し

“不動王様…どうか…お願い…します…精一杯…働き…ます…”


(仕方ないか…。)


「わかった。俺のいうことをちゃんと聞くとを条件に受け入れるよ。」


“…もちろん…です…不動王様…”


スロウスはフワフワとコウスケに近づくと、複雑な魔法陣を展開し儀式魔法を発動し始めた。


“いと…尊き御方…生涯の…忠誠を…あなた様だけに捧げ…決して傍を離れず…御守りすることを…制約致します…我が名は-スロウス-…大罪武器の一つ…「怠惰」…を司るもの…”


…怠惰の大罪武器の所有権を獲得しました…

…ユニークスキル「風林火山」を獲得しました…

「風林火山」

→ステータス減少系スキルの影響を受けない。ステータスの割り振りが自由に出来るようになる。


…【称号:怠惰を抑える者】を獲得しました…


グラトニーは絶叫した…


“またも合意のうえできちんと契約してるぅぅぅぅぅ。うらやましいぃぃぃぃぃぃぃ。ききぃぃぃぃぃぃぃ。”


エンヴィーが呆れながら、グラトニーの背中を叩く。


“グラトニー、嫉妬は見苦しいぜ。”


“嫉妬の大罪武器のお前が言うなぁぁぁぁぁぁ。”


スロウスもグラトニーに近づき、肩をそっと叩く。


“グラトニー…おでも…お前…見苦しい…と…思った…”


“きぃぃぃぃぃぃぃえぇぇぇぇッ!スロウスッ!い、何時からそんなにしゃべるようになった?昔のお前は「面倒くさい」しか喋らなかったじゃないか?食王様の前だからってカッコつけているのですか?”


スロウスは静かに反論する。


“グラトニー…お前だって…奇声しか…出して…なかった…”


“ききぃぃぃぃぃぃぃッ!口ごたえまでぇぇぇぇぇぇぇッ!”


(仲良いじゃん。)


………


ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!


「超直感」スキルの警告音が鳴った。


(レヴィに攻撃されかけた時と同じ音量・種類の警告音が4回…大罪武器所持者4人の上空からの奇襲か?)


「トラップダンジョンで迎え撃つよ。」


コウスケは転移魔法陣を展開する。


…転移門…トラップダンジョン…接続完了…


魔力を練り上げ転移門をつくり、トラップダンジョンに移動すると、コウスケはみんなに指示を出す。


「これから、大罪武器所持者4名と交戦する。”強欲”は俺とクロン。“憤怒”はブレイブとアーチャーとグラトニー。“色欲”は白と黒とスロウス。“傲慢”はユニとモンタとエンヴィー。ダミ吉は交戦メンバーのフォローをお願い。ランクエラーの防衛はダミアンに任せる。」


………

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