第86話 閑話 セブンウェポン

…セブンウェポン本拠地…


…バシンッ!…


龍人族の男が沈黙を破り口を開いた。


「おいッ!わざわざ呼び出しておいて、さっきからダンマリかよッ!」


隣に座っている肥満体の男は、向かいに座っている黒目黒髪の女をチラチラ見ながら後に続く。


「そ、そうなんだな。ボ、ボクちゃんもそう思うんだな。」


チラ見されている黒目黒髪の女は、顔を顰めながら同意する。


「…激しく同感。帰りたい。」


椅子に座らず壁に寄りかかっていた長身短髪の男が笑いながら、今回メンバーを召集した悪魔族の女に優しく詰め寄る。


「カッカッ♪そう言うなってッ♪きっと、もったいつけるような良いことがあんだろ?それとも、レヴィがここにいないことと関係があるのかな♪」


3人の視線が悪魔族の女に注がれる。


「そうよ。レヴィからの定期連絡が途絶えたから、屋敷に眷属を確認に向かわせたところレヴィの死体があったわ。ちなみに、エンヴィーは行方不明。」


「「「「!!!!」」」」


…バシンッ!…


龍人族の男が再び机を叩く。


「レヴィを殺ったのは誰だッ?」


「恐らく使用人の悪魔達ね。レヴィと悪魔達が争った跡があったわ。」


「レヴィが使用人ごときに負けるわけねぇだろうがッ!」


「あるわ。エンヴィーが”使用人側の味方をしたら”だけどね。」


「「「!!!!」」」


長身短髪の男はにこやかな表情でその仮説を肯定する。


「まぁ、状況的にそう考えるのが自然だよねぇ♪でも、何でこのタイミングで裏切ったんだろう~?ベルゼを倒してグラトニーを奪ったヤツの監視の任務に就いているタイミングでねぇ♪」


龍人族の男は不機嫌そうに舌打ちをする。


「チッ!だから、セブンウェポン全員でボコりに行こうって言ったじゃねぇか?甘くみるからそうなんだよッ!これは、明らかにてめぇのせいだよッ!ルシフッ!」


肥満体の男は不気味にニヤつきながら頷く。


「ケケッ!ボ、ボクちゃんもそう思うんだな。こ、こうなったら、か、体で払ってもらうしかないんだな。」


黒目黒髪の女は気持ち悪そうに首を横に振る。


「確かにレヴィに監視させようと最初に提案したのはルシフ…。だけど、最終的には全員が同意した…。ルシフに責任を押し付けることはできない…。そもそも、単純にエンヴィーが使用人側について謀反を起こしただけで、件のダンジョンマスターが関わっていないという可能性もある…。」


長身短髪の男は、真面目な表情になり提案する。


「そうそう♪最終的にみんなで決めたこと♪犯人探しをしても意味がない♪大切なのは、これからどうするかってこと♪」


…バシンッ!…


龍人族の男が再び机を叩く。


「結論は出たなッ!もちろんッ!みんなでボコりに行くに決まっているよなッ!」


肥満体の男は不満そうに同意する。


「ちぇッ!し、仕方ないんだな。」


黒目黒髪の女は疲れて眠っていた。


「zzz…。」


ルシフも目を閉じながら頷く。


「私も同意するわ。サタンの言うとおり、事態を甘くみたせいで、今の事態に陥った可能性がある以上、全力で対処する必要があるわ。」


長身短髪の男は、クルクル踊り始めた。


「そうと決まれば、準備をして行こうじゃないか♪ランクエラーにね♪イッツ♪ショータイム♪」

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