第71話 ご満悦
モンタは、千里眼スキルの範囲内に入ったブレイブと勇者を注意深く観察していた。
『コウスケの予想通り、ブレイブは一般市民は殺してねぇみたいだぜ。しかも、とどめをさせるのに少しずつこっち側にゲス勇者を誘導しているな…。狂戦士化スキルを使いながら、こんな器用なことができるなんて驚きだぜ…。』
(当たってほしくない予想が当たったか。こうなったら、腹をくくるしかないか…。)
「じゃあ、進路から狙撃ポイントを割り出して、遠距離から攻撃しよう。狙撃ポイントの割り出しはユニ、周りの警戒は黒とアーチャー、防衛はグラトニーとオーガ部隊に任せる。モンタとクロンは、俺と狙撃に専念するよ。」
「『『『“はいッ!(おう)”』』』」
ユニが索敵スキルとマッピングスキルを使いながら、狙撃ポイントを割り出していく。
「この位置からだと、狙撃のタイミングは、時計台近くの噴水のある広場に誘導された時が良いかと思います。方角はちょうどコウスケ様が向いている方向です。」
コウスケは頷くと、次元収納から世界最硬金属といわれる“アダマンタイト”で造られた短剣を取り出し、念動力スキルを使ってユニが示した発射位置に固定した。
-ドラゴニックオーラ全開-
そして、アダマンタイトの短剣を砲身型に変形させたドラゴニックオーラで包み込み、魔法やスキルを付与していく。
“アダマンタイトの短剣”×”ドラゴンライトニング(雷魔法)”דマグネティックフォース(雷魔法)”דボルテックスランチャー(風魔法)”
…神速スキル付与…
…総攻撃スキル付与…
…魔狼牙スキル付与…
「この状態を維持しながら待機する。モンタ、勇者の細かな位置情報よろしく。」
『おうッ!』
……
モンタは千里眼スキルで広場に誘導された勇者の姿を捉えていた。
『コウスケ。もうすぐ狙撃ポイントに誘導されてくるぜ。……今だッ!撃てぇッ!!!』
「『貫けッ!!!』」
≪超龍魔狼電影弾≫
超神速のドラゴニックオーラを纏った魔狼が直線の軌道を描きながら対象に向かう。
ブレイブの攻撃に気をとられていた勇者が狙撃に気づいたのは、魔狼が自分の首もとを食い破る瞬間だった。
………レベルアップしました………
………ユニークスキル「交換」を発動します。対象と「交換」したい物を1つ選択してください………
・ユニークスキル「マリオネット」
→マーキングした相手を操作する。マーキングするためには対象に10秒以上触れる必要がある。相手のレベルが自分よりも低いほど成功率が上がる。また、マーキングした相手のスキルを使用することが可能。
・「詐術」スキルlevel:Max
→相手に騙し易くする。
・「勇者」職業オーブ
・交換しない
コウスケはユニークスキル「マリオネット」を選択した。
モンタが千里眼スキルで状況を確認していると、衝撃的な光景が飛び込んできた。
『…コウスケ。ブレイブが今までみたことないくらい満足そうな顔してるぜ。…良かったな。』
「…うん。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。