第72話 かくれんぼ
「…疲れた。今度こそ帰ろう。」
(やはり、人間嫌いには大きな街はハードルが高かったな。たった1日で数年分くらい疲れた気がする…。)
コウスケは転移門を開くための魔力を練り始めた。
(トラップダンジョンを経由してからランクエラーに帰るか。転移は便利だけど、魔力を辿られる可能性があるからな。影移動スキルとか次元移動スキルは魔力を辿られないけど、距離が短いし色々条件があるんだよなぁ。)
そう考えながら、練った魔力を使って転移門を開こうとしたとき…
ビーッ!
頭のなかで警告音が鳴った。
(ユニークスキル「超直感」の警告音か!?転移門をつくる瞬間鳴ったということは、今転移門をつくると危険ってことか。色々検証したいけど、この場でグズグズするのは不味いな。)
「作戦変更。ブレイブがこちらに向かっているから合流するまでここで警戒しながら待機。合流後は、白の部隊を駐留させている場所まで黒の影移動スキルで移動。そこで様子をみながらトラップダンジョンに転移する。ダミ吉、トラップダンジョンは警戒レベルを引き上げておいて。他のみんなは襲撃に備えて警戒をお願い。いつも言っているけど、渡しているアイテムは必要だと思ったら惜しみなく使用してね。」
「『『『ハッ!(了解ッ!)』』』」
(誰かに様子を探られている可能性が高いな…。)
「ユニ。ソニ子と一緒に索敵をお願い。姿を消して探っている奴がいるかもしれないから、それらしい者を見つけたら教えて。」
ユニは頷くと召喚石を使い、ソニックイーグルロードの“ソニ子”を呼び出した。さらに、精霊眼を使い風の精霊を召喚して、ふたりに指示を出した。
「ソニ子、いつものように≪ソナー≫を使って索敵をお願いします。風の精霊さんはソニ子のお手伝いをお願いします。」
『ピュイ♪』
『りょ~かい♪』
ソニ子と風の精霊はコウスケにお辞儀をしてから、ユニの周りを嬉しそうに飛び回りながら索敵を開始した。
(ソニ子の“音”と風の精霊の“気流”による索敵か。これはかなり効果的だな。)
ソニ子の種族スキル≪ソナー≫に風の精霊の気流索敵を合わせることで、索敵範囲と精度が倍以上になっていた。
索敵を開始してすぐにソニ子の種族スキル≪ソナー≫と風の精霊の気流索敵に反応があったため、反応があった上空へ駆け上がった。
『『ピュイ(み~つけた)♪』』
コウスケ達のいる位置の遥か上空にシルクハットを被った子どもが傘を持って浮かんでいた。
「ははッ♪かくれんぼには自信があったんだけど、見つかっちゃったみたいだね~。こんなに離れてるのに感知できるなんて本当にスゴいよ。…あぁぁ…クソッ!…この鳥は最優先で殺しておくべきだなぁぁぁッッ!!!おいぃぃぃッ!!!」
『『ピュイ、ピュイ(お前、かくれんぼ下手くそだな~)。』』
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