第47話 閑話 ダンジョン連合3
…嘆きの墓場 ダンジョンマスター視点…
我輩は、嘆き墓場のダンジョンマスター!
エルダーリッチで死霊魔法も使え、戦闘もこなせるダンジョンマスターである。
今回のダンジョンバトルのリーダー的存在でもある。
ジュゼ王国の主導というところが気に食わぬが、長年目障りだった隣のランクエラーダンジョンをようやく潰せるチャンスが舞い込んだのだから多少の我慢はせねばなるまい。
計画は上手く進み、ランクエラーに無茶な要求を突き付けて、ダンジョンバトルに引きずり込むことに成功した。
さあッ!アンデッドの軍勢よッ!立ち上がれッ!その数でランクエラーの奴らを押し潰すのだッ!
用意したのは、ゾンビやスケルトン、ゴースト、リッチなど多種多様のアンデッド3万体ッ!
どうだッ!これだけいれば、ひとたまりもあるまいッ!
よしッ!いけッ!アンデッド達よッ!
我輩は、マスタールームで高みの見物と…い…く…か…!!!!!
…えっ…
…な、なぜ、ホーリードラゴンがこんなところにッ!!!アンデッドの天敵ではないかッ!!!
ま、まずいッ!ブレスの準備をしているッ!阻止しないと…だ、ダメだッ!低位のアンデッドでは、近づくことすら出来ないッ!
くそッ!ダンジョン内のバトルを想定して、空を飛べる高位のアンデッドを用意していなかった!まさか、ダンジョン間を繋ぐフィールド上で上空から襲われるなんて…。
おいッ!ホーリードラゴンッ!ブレスの準備をするんじゃないッ!
おいッ!やめろッ!
…ホーリードラゴンの聖なる息吹がアンデッドの軍勢に放たれた。
アンデッドの軍勢は、ブレスに触れただけで消滅していく。
……
うん!?今度はなんだ!?上空からブレスではなく、隕石が落ちてくるぞッ!!!
我輩は何を見ているのだろう…伝説級のホーリードラゴンだけでなく、これは明らかに伝説の隕石魔法だ…。
隕石魔法がアンデッドの軍勢を襲う姿はまるで神話の一幕のようだった。
巨大な隕石がアンデッドの軍勢に到達し、天地を創造する際の地ならしのように激しい爆発と衝撃波を引き起こした。
さらに、爆発した隕石の欠片一つ一つが神狼(フェンリル?)に変化し、獲物を追いかけるかのように隕石から逃れたアンデッド達を次々に冥府へと誘った。
その後も容赦のない無慈悲な上空からの攻撃が続き、一方的に蹂躙されていく…。
……
…これは、仕方がない。サレンダーするか…
ここまで、力の差を見せつけられては、怒りすら湧いてこない。
ふははッ!誇るがいいッ!我輩に膝をつかせたことをなッ!
ダンジョンバトルの権限は、リーダーである我輩がもっているため、ダンジョンシステムにアクセスして、サレンダーした。
【サレンダー(降伏)して宜しいですか?】
・はい
・いいえ
”はい”を選択した。
………
【ランクエラーのダンジョンマスターがサレンダーを受け入れませんでした。ダンジョンバトルは継続されます。】
…えっ!”受け入れない”だと?
どう考えても、受け入れた方が利があるのに、”受け入れない”だと!?
ははッ!新米だから、サレンダーを受け入れると3ダンジョン全てのDPとモンスターとアイテムを獲得出来ることを知らないのか?
よし!白旗を持って直接説明しに行こう!
………
侵入者の方から、濃密な魔力が込められた声が僅かに聞こえた…
「『吹き飛べッ!!!』」
≪龍磁風雷爆裂魔狼弾≫
……
突然、超高速の神狼を従えた龍が、我輩の身体を貫いた…
こ…の…距離…か…ら…攻撃…さ…れ…た…?
我輩…は…一体…な…に…と戦…っ…て…い…た…の…だ…?
神…に…で…も…敵…に…わ…ま…し…た…の…か…?
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