第16話 閑話 ~モンタ~

オイラは、人間が大嫌いだ。


物心がついたときから、隷属の首輪で自由を奪われ、昼夜問わず鑑定スキルを使わされ続けた。


戦場にも参加させられ、数日間休みなしで酷使されることも数えきれないほどあった。


“隷属の首輪”を装着して100年以上経過したある日、屋敷に忍び込んだ野盗にオイラは誘拐された。


“隷属の首輪”の主従変更の隙を狙って、ようやく逃げ出すことができたんだ。


オイラは、魔の森に逃げ、有用なスキルを持つモンスターをテイムして静かに暮らしていた。


しかし、そんな生活も長くは続かなかった。突然変異したむちゃくちゃ強いフォレストベアに、テイムした仲間は殺されて、住処も破壊された。


必死で逃げている時に、あり得ないくらい大きな穴に落ちた…。


そのあと、穴から助け出されて、“森の英雄”についていくことにした。


アイツは、オイラの力を知っても、決して一方的に利用したりしなかった。


料理もウマイし、一緒にいると幸せな気持ちになる。


照れ隠しで、素っ気ない態度や意地悪をする時もあるが、いつも気にかけてくれている。


アイツも強欲な人間達にひどい目に会わされてきたようだ。


これからもアイツとずっと一緒にいるために、敵は全部オイラがやっつけてやるぜ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る