第13話 クロン

コウスケは、手早く支度を済ませてみんなを席に座らせると、朝ごはんを食べ始めた。そして、幸せそうに食べるユニとモンタを見ながら、今度の方針について相談した。


「みんなも知っていると思うけど、俺のユニークスキルの基本的な能力は、倒した相手の死体をスキルやアイテムと交換できるもので、このランクエラーのモンスターでも問題なく発動できる。」


「ランクエラーのモンスターでも発動できるというのは、大きなアドバンテージですね。他の人間では経験値ですら取得できないのですから。」


『これはすごいことだぜ。ランクエラーのダンジョンは、コウスケのためにつくられたっていわれても、誰も疑わねえと思うぜ。』


(このダンジョン…確かに貸切状態だからな。恐ろしいほど、人がいないし…。)


「そういうわけで、俺は、スキルやアイテムを集めつつの下層の各セーフティゾーンに拠点をつくって行こうと思うんだけど。みんなはどうする?」


「もちろん、コウスケ様に一生ついていきます!拠点づくりはお任せください!」


『オイラもどこまでもついて行くぜ。3人の力を合わせれば、ダンジョンの中でも快適に過ごせるし、鑑定だけじゃないってところを見せてやるぜ。』


『我も、小僧についていくぞ。オヌシは、まだまだ危なっかしいからの。オヌシの寿命くらいは一緒に居て、色々と教えてやろう。』


「「『!!!!!』」」


……どこから聞こえた?……

コウスケは、周りを見渡すが、誰もいないし、気配察知も反応がない。ユニの顔をみるも、索敵にも反応していないらしい。


『フハハ!すまない。我は、小僧の懐にあるナイフじゃ。厳密には、聖剣じゃがのう。論より証拠じゃ。……ステータス・フルオープン……』


聖剣クロン

種別:インテリジェンスウェポン

状態:正常

HP:****** MP:2550/2550

【通常スキル】

毒精製Lv:10Max

付与魔法Lv:10Max

念動力Lv:10Max

スキル共有Lv:10Max

形状変化Lv:10Max

自己再生Lv:3

並列思考Lv:3

思考加速Lv:3

【ユニークスキル】

合成

【称号】

毒製造マシーン、付与王、念動王


モンタが突然震えだし、やさしい眼差しをクロンに向けた。


『…おめぇ、オイラの仲間だったのか…。オイラのステータスも見てくれ!!』


モンタはクロンにステータスを見せると、2人?は無言で抱き?合った。


「……コウスケ様、このナイフと小動物は、何をしているのですか………?」


「……マシーン同士で通じるところがあるんじゃないかな……。」



こうして、ユニとモンタとクロンは、揃って鼻息荒く”コウスケについていく”宣言をした。


(ありがたいけど、一生ついてくるの?……まあ、いいか。途中で気持ちが変わるかもしれないし。)


「ところで、みんな、正直に今の状態でこの奥のボスに勝てると思う?」


「はい。5層のボスはゴブリン族の上位種が配下と共にランダムで出現するといわれてます。ゴブリンジェネラルであれば余裕ですが、それ以上であれば、少なくとも苦戦はすると思われます。」


『まあ、8割くらいゴブリンジェネラルがでるみてえだけどな。ゴブリンジェネラルは、スピードは無いし頭も良くないから、距離をとって魔法で攻めれば余裕だぜ。』


『そうじゃな、我を使いこなせば上位種でもいけるが、そうでなければ難しいじゃろうな。』


(…2割の確率で苦戦以上するボスが出てくるなんて、絶対ダメじゃん!)


「よし!ゴブリン族の最上位種でも楽に倒せるようになるまで、5層セーフティゾーンを拠点にゴブリン狩りをしよう!」

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