第12話 エヘッ! 12
「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」
おみっちゃんは茶店で看板娘としてアルバイトをしていました。
「おみっちゃん、しっかりキャンペーンも宣伝するんだよ。」
おみっちゃんの雇い主の女将さん。
「はい! 今なら看板娘と戦って勝ったらお茶とお団子が無料ですよ! タダ!」
茶店はキャンペーン中であった。
「私が挑戦しよう!」
タダが嫌いな者はおらず、次々と挑戦者は現れる。
「私は河童! おみっちゃん! いざ! 勝負だ! タダでお茶とお団子は頂いた!」
新しい挑戦者が現れた。
「いいですよ。お相手致しますよ。そのかわり負けたら何でも言うことを聞いてもらいますからね。エヘッ!」
いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。さりげなく恐ろしい交換条件を出す。
「くらえ! 必殺! 放水!」
挑戦者が必殺技で攻撃してくる。
「そんなもの! 私の歌でかき消してあげますよ!」
おみっちゃんは歌を歌い出す。
「耳栓用意!」
女将さんは耳栓をする。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。
「バカな!? 歌で私の攻撃がかき消された!? いったいどんな歌だよ!?」
挑戦者はおみっちゃんの歌声に恐怖した。
「こんな歌です。エヘッ!」
可愛い子ぶるエヘ幽霊。
「今度は私の番ですよ! 私の美しい歌を聞かせてあげましょう!」
死の戦慄の間違いである。
「1番! おみっちゃん歌います! 曲は茶店の歌姫!」
おみっちゃんが歌を歌い始める。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんのデスボイスは挑戦者の脳みそを破壊する殺人ソングである。
「参った! やめてくれ! 頭が割れて破裂しそうだ! 私の負けだ!」
苦しんだ挑戦者は降参した。
「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」
大好きな歌が歌えて満足の茶店の歌姫のエヘ幽霊。
「あれ? 死んでる。」
挑戦者はおみっちゃんの歌声にあの世を見た。
「生きてるわい!」
ツッコむために生き返る挑戦者。
「そうですね。あなたも皿洗いでもしてもらいましょう。エヘッ!」
心優しいエヘ幽霊。
「え!? そんなバカな!? どうして私が!?」
抵抗する挑戦者。
「負けたら何でも言うことを聞いてもらう約束ですよ。エヘッ!」
笑っていれば許されるエヘ幽霊。
「さすが茶店の看板娘だよ。イヒッ!」
タダ働きのアルバイトが手に入って大喜びの女将さん。
「私の出番が少ないないじゃないか?」
女将さんがクレームを入れてくる。
「仕方がありませんよ。趣を大切にすると女将さんの出番はありません。エヘッ!」
雇い主にも笑って抵抗エヘ幽霊。
「いいのかい? あんたの給料を減らすこともできるんだよ。イヒッ!」
守銭奴な女将さん。
「私が悪うございました! それだけはご勘弁ください! 悪代官様! うるうる・・・・・・。」
給料が減らされることには弱いおみっちゃん。
「誰が悪代官だ! 誰が!」
おみっちゃんの相手をする女将さんの苦労は絶えない。
「可愛いから許してください。エヘッ!」
無敵のエヘ幽霊。
「河童とドラゴンはどちらが強いんだろうね?」
女将さんはふと思った。
「こういう時は二人に戦ってもらいましょう。」
おみっちゃんは歌えばデスボイスで世界征服できてしまうので、他の人に戦ってもらうことにした。
「いくぞ! 強いのは私だ!」
「かかってこい! 返り討ちにしてくれるわ!」
こうして二人は戦うことになった。
「くらえ! 必殺! 放水!」
河童の攻撃。
「そんなものくらうか! ドラゴン・ファイア!」
ドラゴンが火を吐き河童の水をかき消す。
「うそ~ん!?」
河童は信じられないという表情をする。
「ギャアアアアアアー!」
河童は倒された。
「ドラゴンの勝ち。やったー! 勝ったぞ!」
大喜びのドラゴン。
「悔しい! この屈辱は修行して必ず晴らしてやる!」
復讐に燃える河童。
「まあ、こうやっていけば新しい物語にはとりあえずなるよね。」
解説の女将さん。
「そうですね。新キャラクターだけ私と戦えてピックアップ状態です。エヘッ!」
何様的なエヘ幽霊。
「前の対戦で負けた方と戦わせて、負ければそれまで。勝てば前に買った方とも戦わせばいいんだね。」
簡単なシステム。
「これならスマホゲームになってもガチャのキャラクターに困りませんね。エヘッ!」
ちゃっかり課金ガチャで儲けることを考えているエヘ幽霊。
「さすがおみっちゃん。私の茶店の看板娘だよ。イヒッ!」
銭勘定が大好きな女将さん。
「お代官様に似てきました。エヘッ!」
まるで越後屋のエヘ幽霊。
「ワッハッハー!」
笑いが止まらない女将さんとおみっちゃん。
「この人達と関わっていていいのだろうか?」
身の危険を感じる提灯、唐傘、のっぺらぼうであった。それでも毎回登場してキャラクターを確立させていくことは大切なことである。
「別にこれ、新キャラクターは妖怪に拘る必要はないんだよね?」
解説の女将さん。
「そうですね。例えば北斗の拳をそのままは不味いので、拳を剣に変えて北斗の剣という騎士の物語でもいいですし、三国志には七星剣なんていうのもあったはずですからね。剣を刀に変えて北斗の刀とか、北斗の侍、北斗の魔法使いとかでも何でもいいと思いますよ。」
実況のおみっちゃん。
「既存の妖怪とかのキャラクターだけでなく、構成の形さえできれば、いくらでも新キャラクターは生み出せるんだね。銭の匂いがするよ。イヒッ!」
銭の匂いをかぎ分ける女将さん。
「では早速、北斗の剣を持つ騎士・・・・・・ケンシロウに対抗して健三郎を登場させて当てはめてみましょう。」
実験あるのみ。
「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」
おみっちゃんは茶店で看板娘としてアルバイトをしていました。
「おみっちゃん、しっかりキャンペーンも宣伝するんだよ。」
おみっちゃんの雇い主の女将さん。
「はい! 今なら看板娘と戦って勝ったらお茶とお団子が無料ですよ! タダ!」
茶店はキャンペーン中であった。
「私が挑戦しよう!」
タダが嫌いな者はおらず、次々と挑戦者は現れる。
「私は北斗の剣士ケンザブロウ! おみっちゃん! いざ! 勝負だ! タダでお茶とお団子は頂いた!」
新しい挑戦者が現れた。
「いいですよ。お相手致しますよ。そのかわり負けたら何でも言うことを聞いてもらいますからね。エヘッ!」
いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。さりげなく恐ろしい交換条件を出す。
「くらえ! 必殺! 北斗七星斬り!」
挑戦者が必殺技で攻撃してくる。
「そんなもの! 私の歌でかき消してあげますよ!」
おみっちゃんは歌を歌い出す。
「耳栓用意!」
女将さんは耳栓をする。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。
「バカな!? 歌で私の攻撃がかき消された!? いったいどんな歌だよ!?」
挑戦者はおみっちゃんの歌声に恐怖した。
「こんな歌です。エヘッ!」
可愛い子ぶるエヘ幽霊。
「今度は私の番ですよ! 私の美しい歌を聞かせてあげましょう!」
死の戦慄の間違いである。
「1番! おみっちゃん歌います! 曲は茶店の歌姫!」
おみっちゃんが歌を歌い始める。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんのデスボイスは挑戦者の脳みそを破壊する殺人ソングである。
「参った! やめてくれ! 頭が割れて破裂しそうだ! 私の負けだ!」
苦しんだ挑戦者は降参した。
「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」
大好きな歌が歌えて満足の茶店の歌姫のエヘ幽霊。
「あれ? 死んでる。」
挑戦者はおみっちゃんの歌声にあの世を見た。
「生きてるわい!」
ツッコむために生き返る挑戦者。
「そうですね。あなたは・・・・・・どうか生き残って主人公になれるくらいの存在になってください。今から私たちはお友達ですよ。エヘッ!」
心優しいエヘ幽霊。
「ありがとう! おみっちゃん!」
感謝する挑戦者。
「負けたら何でも言うことを聞いてもらう約束ですよ。エヘッ!」
笑っていれば許されるエヘ幽霊。
「さすが茶店の看板娘だよ。イヒッ!」
タダ働きのアルバイトが手に入って大喜びの女将さん。
「さあ! ケンザブロウさんと河童さんの戦いです!」
ドリームマッチの始まりである。
「どうなんだろうね? ケンザブロウ実力は?」
解説の女将さん。
「とりあえずやってみましょう! エヘッ!」
実況のおみっちゃん。
「戦いよりも川に帰りたいんですけど?」
戦いは不得意な河童。
「おまえはもう浮いている。」
北斗の剣士ケンザブロウは恐らく最強の剣士である。
「それでは試合開始です!」
ドリームマッチが始まる。
「くらえ! 必殺! 放水!」
河童が水を飛ばして攻撃。
「俺の剣は水を斬る。北斗七星! 水斬!」
ケンザブロウの剣が水を斬った。
「そんなバカな!? まるでアニメじゃないか!? ギャアアアアアアー!」
河童は驚くしかなかった。そしてそのまま斬撃のダメージを受ける。
「勝者! ケンザブロウさん!」
勝ったのはケンザブロウ。
「俺に斬れないものはない。」
寡黙な自信家ケンザブロウ。
「いや~すごいですね。ケンザブロウさん。女将さん。」
実況のおみっちゃん。
「ケンザブロウは和名だから侍だね。剣士ならアーサーとか、セシル、カイン、エニックスとかの洋名に変えた方がいいだろうね。不屈の侍ケンザブロウとかにね。」
解説の女将さん。
「それでは挑戦権を獲得したケンザブロウさんには続けてドラゴンさんと戦いを行ってもらいましょう。」
ドリームマッチは誰が勝っても続けていける恐ろしいシステムである。
「おまえはもう斬れている。」
余裕のケンザブロウ。
「なめるなよ! 人間如きが!」
怒れるドラゴン。
「それでは試合開始です!」
始まった試合。
「くらえ! 必殺! ドラゴン・ファイア!」
ドラゴンは火を吐いてケンザブロウを攻撃する。
「俺に火など効かん。北斗七星! 火斬!」
ケンザブロウは剣で火を切り裂いた。
「そんなバカな!? 水だけでなく、火も斬るというのか!? ギャアアアアアアー!」
ドラゴンは火を斬られ、そのまま斬撃でダメージを受け倒された。
「勝者! ケンザブロウさん!」
戦いに勝ったケンザブロウ。
「次はどいつだ。死にたい奴からかかってこい。」
余裕のケンザブロウ。
「いや~強いですね。ケンザブロウさん。」
実況のおみっちゃん。
「早めに侍に職種チェンジするか、騎士、剣士でいくなら西洋風の名前に変えた方がいいよ。」
解説の女将さん。
「侍にしよう。ケンザブロウという名前に罪はないもんね。北斗の侍、北斗七星刀の使い手。」
完璧。
「続きましてケンザブロウさん対提灯お化けさんの戦いを行います!」
そろそろスマホゲームを意識して、戦闘の省略版も用意した方が良さそうだ。
「おまえはもう斬れている。」
「提灯をなめるなよ!」
対峙する二人。
「北斗七星斬!」
ケンザブロウの攻撃。
「ギャアアアアアアー!」
提灯お化けを倒した。
「続きまして、侍ケンザブロウと唐傘お化けの戦い。」
倍速の省略系である。
「北斗! 七星斬り!」
「ギャアアアアアアー!」
ケンザブロウの攻撃。唐傘お化けは倒された。
「続きましては、ケンザブロウさんとのっぺらぼうさんの戦いです!」
消化試合などに一般大衆は興味はない。
「北斗七星斬り!」
「ギャアアアアアアー!」
ケンザブロウの勝ち。
「いや~勝っちゃいましたね。ケンザブロウさん。」
実況のおみっちゃん。
「おみっちゃん。出番だよ。」
解説の女将さん。
「は~い。行ってきます~。エヘッ!」
出陣するエヘ幽霊。
「ドリームマッチの優勝者には、茶店の歌姫の私と戦う権利が与えられます! エヘッ!」
いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。
「誰が相手でも同じだ。おまえはもう斬られている。」
勝ったのもつかの間。地獄の歌姫との戦いが待ち受けていた。
「あ、あ、あ。発声練習はバッチリです。エヘッ!」
歌う気満々のエヘ幽霊。
「くらえ! 北斗七星斬り!」
ケンシロウが刀で攻撃してくる。
「1番! おみっちゃんが歌います! 曲はあなたはショック!」
おみっちゃんが歌い出す。
「耳栓用意!」
女将さんは耳栓をする。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。
「バカな!? 俺の斬撃が歌にかき消された!? ギャアアアアアアー! 耳が腐る!?」
おみっちゃんの歌声の前に攻撃は意味をなさない。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
更におみっちゃんは歌を歌い続ける。
「俺の負けだ。歌を歌うのをやめてくれ!」
降参するケンザブロウ。
「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」
大好きな歌が歌えてご満悦なエヘ幽霊。
「これじゃあ、勝っても地獄じゃないか!?」
ドリームマッチの参加者のため息が零れる。
「きれいなオチだね。」
呆れる女将さん。
「もっと歌を歌いたいな。エヘッ!」
いつでも可愛いエヘ幽霊であった。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。