第5話 エヘッ! 5

「ユウ。あんたの名前は今日からシブだ。」

 主人公は改名を余儀なくされた。

「なんで!? どうして!?」

 受け入れられないシブ。

「それはね。有楽町侍の名前がユウになるからだよ。」

 シンプル・ネーム・システムは主人公にも適用された。

「そんな理由で名前が変わるのか!?」

 あくまでも納得できないシブ。

「変わるんです! エヘッ!」

 これが茶店の歌姫クオリティーだと主張するエヘ幽霊。


「これまでの結果です。エヘッ!」

 第一試合 〇笹塚侍 VS 幡ヶ谷侍

 第二試合 〇本町侍 VS 大山町侍

 第三試合 〇西原侍 VS 初台侍

「こうなってくると別に侍じゃなくても適用できるんじゃないかい?」

 新しい疑問が生まれる。

「一度、騎士でやってみますか。エヘッ!」

 チャレンジ精神旺盛なエヘ幽霊。

「続いては第四試合! 元代々木町騎士さんと代々木騎士さんです! どうぞ!」

 こうして第四試合が始まった。

「解説の女将さん。侍と騎士を変えてみましたがどうですか?」

 実況のおみっちゃん。

「そうだね。漢字漢字しているので騎士をカタカナに変えてみたらどうだい?」

 手直しを提案する女将さん。

「早速やってみましょう。」

 元代々木町ナイトさんと代々木ナイトさんです!

「どうですか?」

 おみっちゃんは手直しをしてみた。

「う~ん。いまいち。一層のこと代々木を英語にしてみてはどうだろう?」

 納得がいくまで妥協はしない女将さんの流儀。

「プロジェクトXじゃないんですからね。」

 真面目な方向に行き過ぎたので釘をさす。

「ヨヨギ・ナイト。モトヨヨギマチ・ナイト。これだね。ナイトならカタカナ。騎士なら漢字。侍も漢字だね。」

 語呂がいい。

「町は何かの流派か? 東西南北はエリアか陣営が分かれるのか?」

 これは現段階では何とも言えない。

「異世界ファンタジーにしちゃうと侍だけでなくなって、魔法使いや賢者とか死霊使いとかも登場できちゃうんで、元に戻して基本は侍だけにしよう。」

 シンプルで分かりやすい。

「それでは元に戻そう。」

 何事もなかったかのように。

「元代々木町侍さんは木ですから植物系です。代々木侍さんも木なので植物系ですね。」

 木は植物系。元はなんだろう? 代々はなんだろう? で、なんだろうは何も無しなので二人は植物系の侍ということで。

「名前も代々木繋がりで一族か同じ属性の種族ですね。もう一人代々木さんもいますし、代々木三連星ですね。」

 お休み。

「アアアアアー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 寝て起きて気づくおみっちゃん。

「この展開では私が歌を歌っていない!? いかん! いかんぞ! 私のファンは私が歌って皆殺し(PTA的にダメ)・・・・・・いや、違った。私が歌って悪い人の心を良い人に変える素晴らしいお話を期待しているはずだ!」

 現代で北斗の拳を放送するのは倫理的に無理。でも普通に再放送をやっている。巨人に人間が食べられる進撃の巨人も普通に放送してるし、毀滅の刃も鬼によって皆殺しだし、そうしないとインパクトがないから売れない。後、ネットでいくらでも北斗の拳や進撃の巨人は見れるからストーリーは何でもいいのだろう。人間を殺しまくっている鬼滅の刃なんかが国民的アニメになっちゃったんで。いや~現代の製作サイドの大人が怖い。それを売り出そうとしたテレビ局、大企業のスポンサーもね。どんだけ性格が歪んだ大人がお金のために魂をうっているんだか。それを見た10代が社会に出る頃は無差別殺人ばかりになりそうで怖いわ。今のネット世代で常識が無く価値観が何でもありの日本人の若者よりベトナムやネパールの外国人の方がマクドナルドやコンビニでもアルバイトに選んで採用されるのが分かる気がする。

「珍しく脱線したな。」

 要するに蜘蛛ですが何かで蜘蛛の活躍を楽しみにしているのに、変な勇者が出てきて面白くないので見るのを止めたみたいな感じになってしまうではないか! ということ。

「やはり基本は私が登場してなんぼ! ドラえもん先輩やアンパンマン先輩が正しい。仮面ライダーのでない仮面ライダーを見てどうする? 誰がショッカーの怪人を倒すんだ! 地球が悪の秘密結社に征服されてしまうぞ!」

 正論だ。

「殺そう・・・・・・違った。歌おう。私が歌って出てくる新規の侍たちを殺そう・・・・・・違った。私が歌って出てくる新規の侍たちの悪い心を溶かして良い子にしよう。これなら保護者の皆様も安心できる国民的アニメになれるぞ! 印税ガッポリだ! ワッハッハー!」

 お金はないよりあった方がいいですよね。

「ということで、渋谷区選抜侍決定戦に集まりし侍諸君。私の歌を聞け!」

 おみっちゃんは歌を歌おうとする。

「1番! おみっちゃんが歌います! 曲は贈る幽霊! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主だった。

「ギャアアアアアアー!?」

「なんだ!? この怪音波は!?」

「耳が腐る!?」

「助けてくれ!?」

 苦しむ侍たち。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 更におみっちゃんは歌を歌い続ける。

「ギャア!」

「ギュア!」

「アベシ!」

「ヒデブ!」

 次々と脳内爆発を繰り広げる侍たち。

「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」

 いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。

「おみっちゃん! 万歳! 万歳! 万々歳!」

 良い子になった侍たちはおみっちゃんに忠誠を誓うのであった。

「これで完璧! これが私のストーリーです! エヘッ!」

 軌道修正された茶店の歌姫。

「でも、おみっちゃん。これをやって人間界、魔界、天界、宇宙を支配してしまって次を探したら侍になったんだよね?」

 このパターンだとあっさり終わってしまうのだ。

「新しい魔王が出てきたみたいに、今度は新しい宇宙の支配者ネオシオンのジャア総帥に出てきてもらいます。エッ

へ!」

 笑っていれば許されると思っているエヘ幽霊。聖闘士星矢が黄金十二宮で味を占めてポセイドン、ハーデースで延命したのと同じ。ドラゴンボールでピッコロ、ベジータ、フリーザを倒してその後もゴチャゴチャ延命したのと同じ。鬼滅の刃は延命しないで4年で終わった。最近は無理をさせないのかな。延命部分は繰り返しだから面白くないから。

「私に歌がある限り絶対に無敵です。エヘッ!」

 北斗神拳のケンシロウ。天翔竜閃のるろうに剣心。最初っから強いにせよ、成長型で強いにせよ。結局最後は勝つ。最後は勝つ・・・・・・最後。ストーリーモノは最後がある。終わってしまっている。

「やはり残るのは1話完結モノか?」

 ストーリーモノの延命。ドラゴンボールは酷かった。まだスポンサーがやめさせてくれないので続いているワンピース、コナンも酷い。後、知りたいのは最後だけ。ワンピースの財宝のオチが旅して得た仲間というオチ。コナンも最後には元の大人に戻って蘭とキスシーンで終わり。もう見えている。

「アニメ化され、第二期も作られる。それは1話完結モノ。」

 鬼滅の刃も進撃の巨人も漫画は汚かった。意味不明だし。アニメになって売れたといって良いだろう。結局はその作品を売りたいと製作サイドの大人が思っているかどうかだけ。

「ガンダムやまどかマギカは最初だけ。」

 アムロとシャアが出ているのがガンダム。出ないのはタイトルを借りただけでガンダムではないロボットモノ。ただガンダムと名前を付けないと誰も見ない作品。まどかも黒い少女焔の物語であり、第2期はタイトルを借りただけの作品であり面白くなかった。低迷のテコ入れで初期のキャラクターを出したんだろうけど。

「劣等生が優等生?」

 第2期でメンバーを全て変えて低迷するよりは、主力メンバーのアナザーストーリーにした方が人気は落ちない。新ストーリーでもなく、ヒーローとヒロインを変えただけ。確かに最初が優等生だった人々の関心は引かなかっただろう。自虐が他者より優位でいたい人間の共感を得るのだろう。ただ中身があるようなないような。魔法の派手なシーンがなければアニメとしては盛り上がらん。戦闘シーンが無ければスマホゲームにもならん。まあ、一つの作品を続けるというメリットか。知ってくれる人は増える訳だから。分からない、面白くないよりはガンダムやラブライブの様に同じタイトルで続ける方がマシか?

「もっと子供向けか?」

 他と鬼滅の刃が違うとすれば年齢か? 調べると13から15歳らしい。もう高校生や20才前後の出来上がった年齢では共感は得られないのだろう。高校生にもなると人間の嫌な部分が見えすぎて、いじめ、暴力、不純異性交遊など被害にあった心は共感できない。やった方、された方、どちらも腐ってしまっているからだ。主人公の適正年齢は中学生か。

「1話完結で新キャラは1人くらいの固定メンバーで続けているドラえもんやアンパンマンは基本というかバランスが素晴らしいのだろう。新アイテムや新キャラもでないサザエさんなんかは出来事を変えるだけで続いている。それはそれでいとおかしい。趣がある。」

 スポンサーが降りれば終わる大人の事情なだけですが。

「ストーリーモノはスポンサーがつかないと難しい。」

 まちかど、小林さん、300年。ストーリーモノでも防振りのように単調な作品でないと初めての人が理解できないから面白くない。ファンが着かない。続けてみようと思わない。あ、鬼滅の刃も進撃の巨人も皆殺しのインパクトはあるがストーリーは単調で分かりやすいのか。血や死に惑わされていたな。

「ストーリーモノでも単調に。」

 分かってもらえなければ意味がない。2021の7月期のアニメも現時点では、ほぼ全滅。劣等生ぐらいか。

「あ、結局見てるアニメって派手な戦闘シーンがあるわ。派手なライブシーンがあるわ。派手な推理シーンがあるわ。」

 コナンなんて水戸黄門と同じ。

「そんなこんなを踏まえて茶店の歌姫を再構築しなくっちゃ。アハッ!」

 笑う門に福来たる。

「結局、新魔王も私が歌殺して一件落着なんですよね。エヘッ!」

 エヘ幽霊は歌って平和に終わる物語である。

「ということで百貨店の夏のセールから帰って来て疲れたということで、茶店の歌姫、新魔王編も終了。」

 なんて楽な仕事なんだ。

「茶店の歌姫、現代に生き返る編にしよう。遂にエヘ幽霊が現代に甦ったにしよう。」

 昔のダンバインなんかで異世界と現代を行き来していたんだね。知らなかった。時越えの君の名はとかはダンバインのパクリだ。

「後は4コマから始めえて形を作ろう。サザエさん先輩みたいに出来事にしよう。新しいものを考えなくていいから楽だ。アハッ!」

 それでもオチはおみっちゃんが歌って終わり。これで軌道に乗れば楽なモノ。反省点としてはストーリーモノに拘り過ぎていたんだねということ気楽にやろう。

「単純で現代人にも分かりやすくだね。がんばるぞ! おお!」

 字数も足りてるから締めよう。

 つづく。

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