華を想う

はなや花より、華が気高いと思う。

ふわりと香る柔らかな、優しいはなも良いけれど。


気高く、誇り高く、美しいのに力強く、

かといって、高貴さが鼻につく訳ではない。

私の知る華たちは、

思えば背筋をしゃんと伸ばして、

ひとりでも美しく咲いている。




雨が降ったら、どうだろう。

寒いだろうか。冷たいだろうか。

泣きたいだろうか。


本当は強くなんてない彼女に、

本当は諦めてしまいたい彼女に、

本当は寂しいと崩れ落ちたい彼女に、

それでも、咲くことを止めない彼女たちに、


どうか空は晴れ渡りますように。

気高く一輪、咲くよりも、

春の陽気の中で、

柔らかな野原の上に在ればと、

想っています。




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