小学2年生編

第2話

「真崎、早く起きなさいー。いつまで寝ているつもりー」

と、誰かが俺の名前を呼ぶ声で目を覚ました。

 どうして俺は生きているのだ。確か女性を助けようとしてトラックに轢かれたはずだ。それなのに体の痛みなど一切なく五体満足に生きている。起き上がり辺りを見てみると病院などではなくどこかの一般家庭の部屋で寝かされていた。しかし、どこかこの部屋は懐かしく感じる。

「ちょっと真崎、早く下に降りてきなさいよ。お母さんも朝は忙しいのよ。」

と、何故か若いころのお袋が目の前にいた。



(そうだ、思い出したここは俺の部屋だ。けど、どうしてお袋が若くなってる?

それに、お袋とは高校卒業と同時に縁を切ったはず。それに、何だか視線がいつもよりも低く感じるのはどうゆうことだ?)

と、辺りを見回していると姿鏡が置いてあったのでそこにいって見ると。

小さな推定7歳くらいの男の子が立っていた。

その少年は、どこか俺の面影があり・・・


(って、これ子供の頃の俺じゃないかよ。一体どうして俺が子供の頃の姿になってるんだ?)

と、考えているとリビングの方からお袋の怒りの声が飛んできたので急いでリビングに向かった。リビングに着くと、2歳上で姉貴の【高坂 紗耶香】と親父の【高坂 武虎】がいた。二人とも朝食を食べているようだ。奥の方から、俺の分の朝食を持って現れたのは、我が家の神であり俺のお袋の【高坂 彩音】


「姉さん、親父、それにお袋おはよう。」

と、声を掛けるとみんながこちらを見て驚きの顔をしている。


「おぉ、おはよう。」

「何急に、あんた熱でもあるんじゃないでしょうね。」

「あら、マー君やっと起きてきたのね。」

と、三者三様の反応をしてきたの驚きつつ、朝食を食べることにした。

TVを見ると我が家のお馴染み朝の情報番組めざ〇しテレビがやっていたのでなんとなく見ていると、時間の欄が驚きの時間を示していた。


『2008年 5/5(月曜日)』

そして、TVの中からは丁度ニュースキャスターの《あやちゃん》こと【高島綾香】アナが公園で遊んでいる子供たちに将来の夢を聞いていた。


「こんにちは、私は今お台場の子供たちにインタビューをしに来ています。

 早速、あちらのお子さんに行ってみましょう。」

「こんにちは、お名前と年齢を教えてくれるかな~」

「俺、鈴木 恭平 6歳。将来はサッカー選手になるだあ~」

と、過去の知り合いの名前が出たので驚いていると。ふと正夢のように前世?の

TVのワンシーンが出てくる。


==

「へ~、サッカー選手になりたいんだ。」

「そう、俺サッカー選手になって世界中のみんなに俺の名前を憶えてもらうだ~。」

とVTRが終わると

「こちらが鈴木選手がはじめて出演したTV番組でした。」

と、何かの特番であいつが初めて出たTVとして紹介されていった。

==

(もし、本当にこの子供があいつだとしたら、同じことを言うはずだ。)


「へ~、サッカー選手になりたいんだ。」

と、前世と同じように反応する高島アナ。

このあと、本当に同じことを言ったら、俺は過去に戻ってきたことになる

そうして、TVを見るとやはりやつは


「そう、俺サッカー選手になって世界中のみんなに俺の名前を憶えてもらうだ~。」

と、おんなじことを言った。

と、いうことは。俺は、やはり過去のそれも俺が奴と出会う前の小学2年生に

逆行転生してしまったのか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る