影の鴉

@5362

第一章

第一話

 「3…2…1…fire」

そんな呟きと共に肩にずしりと重い衝撃が来た。

黒く重い弾丸が銃身から射出される。

ドン、そんな音が大音響で響き渡る。

黒く重い弾丸が銃身から射出される。

刹那、ターゲットの頭が破裂した。

血飛沫を確認してその場を立ちさった。

人々の喧騒、救急車のサイレンが鳴り響く中、自分だけが別世界にいるような感覚だった。

「はぁ、依頼完了っと。」

ため息と共に依頼者にメールを送信する。

銀行口座を確認すると500万円が入金されていた。

「安いな。こっちは人を殺したんだ。ちとばかり安すぎる。」

そんな独り言を吐き、一人夜の闇へ消えていった。


そして鴉は哭いた、甲高く。




2030年世界各地に出現したダンジョンという名の洞窟は人々を混乱に陥れた。

中からはゲームに出てくるようなモンスターが溢れていた。その2年後。事態を打開するべくモンスターを殺してスキルという名の特殊な能力や職業を手にした人達が立ち上がり、

地上にいるモンスターを駆逐した。

その後ダンジョンを攻略する人たちを人々を

探索者と呼んだ。



 ここは東京都立探索者養成高校。

名前の通り、探索者になりたい人たちが集まる所だ。そこには俺、峯 影屠も所属しているわけだが

騒しい。普段静かに行動し、依頼を受けている俺としてはうるさすぎる空間だった。

実力を抑えるのもかなりキツイ。

愚痴をこぼしても仕方ない。

クラスメイトを紹介しよう。

彼女の名は赤崎 蜜璃。社長令嬢で品行方正、才色兼備、世間一般で言うエリートといわれる部類の人間だ。刀を主要武器としていてそこそこの腕前。人気者で皆の憧れらしい。

まあ正直どうでもいいが。次行こう、次。

俺の唯一の友達と言ってもいい。

彼の名は鏑木 光。いわゆる陽キャ。なぜ話しかけてくるかは知らんが仲良くさせてもらっている。メリケンサックとかいう意味不な武器を使っていてちょっと理解できない。次。

彼女の名は今井 燐。女グループのリーダーで赤崎とよく喋っている。

まあ正直、スキルは俺の下位互換。そんな強くない。

最後にこの学校について説明しよう。

東京私立探索者育成高校。全国有数の養成学校で優秀な探索者を輩出していることから、全国から志望者が集まる。寮があり入学者は入ることは入ることができる。俺も入っているが。もちろん入らなくてもいい。入学試験は数学、英語、国語が問われる。さらに実技試験もあり、これが入学の難易度を上げていた。形式は試験監督と

模擬戦をして、合格をもらうこと。お金で買収しようという輩もいるらしいが校長に叩き潰されたらしい。あと学食めちゃくちゃ美味い。そこが最大の利点と言ってもいいくらい。まあそんな学校で俺は生活しているということだ。


「帰りのHRを終わります、きりーつ礼さよなら。」

ようやく終わったかHR。そして部屋へ帰宅。

pcを起動匿名ソフト(VPN )を起動し、ブラウザTorを起動依頼サイトへアクセス。なんのかって?暗殺だよ。親もいない俺が学費を出せると思うか?そのための学費稼ぎ。報酬が大きいからすぐに稼げる。月一で依頼をこなす。つまり、月一で人を殺しているわけだ。最初の方は精神的にきついがもう慣れた。そしていつしかコードネームがつけられた。『shadow crow』(影の鴉)とな。

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