第26話

 あおいは店をいつもよりも早く閉め、図書館に出かけた。


「うーん、何か良いレシピあるかな? あ、これ良さそう!!」

 錬金術の本の中には、気力を回復する薬の記載があった。


「よしよし。これを作ってみよう!」

 あおいは気力回復薬の錬成方法をメモした。

 図書館を出て売れ残りの錬成物とクレープを持ってしばらく歩くと、家に着いた。


 家に帰ると、荷物を片付け部屋着に着替えた。

「よし、お店の売れ残りも片付けたし、そろそろ錬金術を試すとしますか」

 薬草や毒消し、ポーションなどを魔法の釜に入れ、かき混ぜる。


 かき混ぜているうちに、中身の色が変わりパチパチとはぜる音がしてきた。

「うわ、何の音だろう? 大丈夫かな……?」

 あおいは魔法の釜の中が光ったので、手を止めた。


「よし、完成!!」

 中身をスプーンですくいだしてみると、白いクリームに小さなピンク色の結晶がキラキラ光っていた。

「まあ良いか!! 食べてみよう!!」


 あおいは気力回復クリームを一口食べてみた。

「あ、口の中で結晶が弾けてパチパチする! うん、疲れが取れる感じ!」

 あおいは気力回復クリームをウエハースに挟むことにした。


「うん、サクサクしてパチパチして美味しいし、元気が出る!」

 あおいは一人で頷くとにっこりと微笑んだ。


「これがあれば、アレックス様も元気になるはず」

 あおいは気力回復クリームウエハースを一つずつラッピングすると、明日の荷物に入れておいた。


「アレックス様、明日も来るよね」

 あおいはそう呟いて、夕食を作り始めた。

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