第15話
「うう、頭が痛い……。体が重い。これは二日酔いね……」
あおいは起きると、体のだるさにもう一度目を閉じた。
「うーん、冷蔵庫に薬草のクレープがあったはず。二日酔いにも効くかな?」
あおいはゆっくりと立ち上がり、台所に向かった。
水を飲んで一息ついた後、冷蔵庫で冷えていた薬草のクレープを食べた。
「うん、すこし楽になったみたい」
あおいは服のまま寝てしまっていたので着替えをした。
着替えが終わった頃、ドアがノックされた。
「はーい……」
あおいがドアを開けると、ロイドが立っていた。
「あれ? ロイド様、一体どうしたんですか? こんな早くに」
「もう昼近いぞ? 今起きたのか? 体調は大丈夫か?」
ロイドはあおいの顔をのぞき込んだ。
「はい、大丈夫です。一応……」
あおいは少し青い顔で答えた。
「ほら、これでも食べて元気になれ」
ロイドはスイカのような果物をあおいに渡した。
「ありがとうございます。いただきます」
「もう、一人では飲みに行くんじゃないぞ?」
「はい……」
ロイドは顔を赤くして、言った。
「人に抱きついたり、もたれかかったり、危なっかしいにもほどがある」
「ええ!? 私、そんなことしちゃったんですか!?」
あおいは真っ赤になって、果物を落としそうになった。
「まったく。アレックス様には秘密にしてやるよ」
「はい、ありがとうございます」
あおいは俯いたまま答えた。
「じゃあ、今日は無理せずのんびりしているといい」
「はい」
ロイドはそう言って帰って行った。
「はあ、やっちゃったな」
あおいはため息をついた。
もらったスイカのような果物を台所に運び、少し切ってみた。
「美味しそう」
あおいは果物を食べた。
「甘くて、みずみずしくて美味しい!」
あおいは果物を食べ終えると、シャワーを浴びて、また寝床に戻った。
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